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スペイン語の手紙の書き方

スペイン語を公用語としている国は、スペインをはじめ中南米諸国など世界で約20ヵ国あります。言語人口は4億人を超えており、国・地域によって方言もさまざまで、ネイティブ同士であっても意味が通じない表現が存在します。ただし、大きく異なるのはスラングや慣用句であり、仕事に関するメールや手紙、公式な書類などで使用されるスペイン語の表現は一般的にどの国であってもほとんど同じです。
ここではスペイン語圏で使われる文書のフォームと書き方を簡単にご紹介します。
【例文】



スペイン語の文書では、差出人の氏名やその他情報が宛先よりも上、左上に位置します。
レターヘッドに社名や会社のロゴ等が出ている場合には、この部分は省かれ、文末の署名のみになります。

①発信地、発行日

まず手紙の右上に、発信地名と日付を右寄せで書きます。
日付は日⇒月⇒年の順で書きましょう。

例)
Santiago, 6 de junio de 2023.
Ciudad de México, a 30 de junio de 2021

②宛名

一般的に1行目に個人名、2行目に役職、3行目に社名、4行目以降に住所や電話番号等を左寄せで書きます。
個人名の部分は、部署名や、具体的な氏名がわからない場合(名指しがはばかられる場合等)には役職のみ、また称号+氏名を書く場合もあります。

例)
Sra. Mercedes Rayo
Jefa de proyecto
HGU Co.,Ltd.

氏名の前に付ける敬称の略です。
Sr. = Señor は男性
Sra. = Señoraは既婚女性
Srta. = Señorita は未婚女性
に使います。
※住所や電話番号等は記載する必要はありません。

部署名・役職の例
品質保証部: Departamento de control de calidad
社長 :Presidente
局長や署長等 :señor Director General
博士 :Doctor[受取人氏名]

※国によっては、最後の段にPresenteと記すことも可能です。よりフォーマルな印象になります。

Sra. Mercedes Rayo
Jefa de proyecto
HGU Co.,Ltd.
Presente

※件名
件名があるときは下記のように書きます。
Ref :件名を記載

例)
Ref: Solicitud de procuración de documentos.

③挨拶

季語や時候の挨拶などはなく、受取人の名前の前に、「拝啓」や「親愛なる」と記します。書簡の内容によって様々な挨拶があります。

例)
<拝啓>
Estimado/a
Estimada señora,
Estimado colega,

<親愛なる>
Querido miembro del consejo:
Querida Directora,

<親愛なる著名なメンバー>
Distinguidos miembros:

<市民の皆様へ>
Honorable ciudadano:

<拝啓(よりフォーマルな表現)>
De mi mayor consideración / De nuestra mayor consideración:
Muy señores nuestros:
など

挨拶の後にはカンマではなく、コロンを記すルールがありますが、英語の影響でカンマが使用されることも多いです。

男性 :Señor (複数Señores)
女性 : Señora (既婚)/ Señorita(未婚) (複数Señoras/Señoritas)
相手の性別がわからない場合 :Señora, Señor
相手が男女混合の場合 :SeñoresまたはSeñoras y señores

④本文

オフィシャルレターの場合、決まり文句のようなものが存在します。

目的によって、下記例文が使われることもあります。
【お知らせ】
Tenemos el placer de informarle de ~
<貴方に~のお知らせができる事を大変うれしく存じます>

Nos ponemos en contacto para informarle de ~
<貴方に~のお知らせがあり、連絡させていただきます>

Por la presente, le comunicamos de ~
<お知らせがございます>

【感謝の伝言】
Le agradecemos su apoyo en ~
<~のご協力いただき、誠にありがとうございます>

【許可を取る】
Nos ponemos en contacto para pedirles si nos permite ~
<~させていただくかどうか確認させていただきます>

Por medio de la presente, le solicito que ~
<~ていただけないでしょうか>

【依頼】
Nos gustaría pedirle que ~
<貴方に~を依頼させて頂きたいと思います。>

【招待する】
Me pongo en contacto con usted para invitarle a ~
<ご招待したく存じます>

【参加のお知らせ】
Confirmo mi participación en ~
<~に参加させていただきます>

Voy a asistir a ~
<~に出席いたします>

やり取りが頻繁に行われる場合や、会社や公的機関のやり取りでない場合、すぐに主題に入ることも多いので、内容、頻度、度合いや宛先等によって判断が必要です。

また、受信した文書への返答である場合、○○への返信/回答として・・というような書き出しになる事もあります。

例)
En respuesta a su carta del 1 de febrero de 2021, N° ref. 2021-02-01-ESP, les informamos de ~
(2021年2月1日の貴信2021-02-01-ESPに対し、~のようにお知らせいたします)

⑤結語

また、スペイン語にも最後の言葉のような役割を果たす文があり、これも内容によって様々に変化します。

例)
Atentamente
Un cordial saludo
Respetuosamente

⑥差出人

差出人の氏名やその役職などは最後に記します。

⑦署名

最後に手書きで署名します。

※P.D. (追記)

スペイン語のビジネスメールの書き方

ビジネスメールは手紙の書き方と基本的に同じですが、1) 発信地、発行日と2)宛名は書きません。

【封筒】

封筒の書き方は以下の通り

封筒の表側には宛先情報を記載致します。(位置は特に決まりはありません。)



差出人の情報は封筒の裏側に以下のように書きます。



必ずしもフォームに則って書くことが重要ではありませんが、然るべき情報を見やすく配置することは、情報の伝達をよりスムーズにします。
特に日々の業務量が多い方が相手であれば、フォームに則ることもある種の礼儀かもしれません。書簡を書く際には、冗長なものは避け、なるべく簡潔に、要点をわかりやすく書くことも重要です。

日にちの書き方

さて、スペイン語の日にちの書き方ですが、「日 de 月名 de 年」のように書きます。
下の月名一覧もご参照ください。

1月 enero エネロ
2月 febrero フェブレロ
3月 marzo マルソ
4月 abril アブリル
5月 mayo マヨ
6月 junio フニオ
7月 julio フリオ
8月 agosto アゴスト
9月 septiembre/setiembre セプティエンブレ/セティエンブレ
10月 octubre オクトゥブレ
11月 noviembre ノビエンブレ
12月 diciembre ディシエンブレ
1日のみ、読み方が2通りあり、Primero(プリメロ)もしくはUno(ウノ)と読めます。
その他は通常のアラビア数字を記入し、読み方も通常の数字の読みになります。

例)
2011年1月1日 1 de enero de 2011 プリメロ/ウノ デ エネロ デ ドスミルオンセ
2011年3月15日 15 de marzo de 2011 キンセ デ マルソ デ ドスミルオンセ
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