K.T.インタビュー
プロフィール
2005年神戸市外国語大学外国語学部第二部英米学科卒業後、青年海外協力隊としてホンジュラスで青少年活動を行う。帰国後、特許事務所にて海外特許事務に従事(英語)。2009年から英語・スペイン語翻訳コーディネータとして翻訳会社に勤務。2011年から2年間、在コスタリカ日本大使館で経済協力班草の根無償資金協力を担当。2014年2月フランシール入社。2024年より業務部部長。
日頃の業務内容を教えてください。
通訳・翻訳案件のコーディネーション業務を日々行うとともに、課長として担当課の課員の業務進捗管理やサポートが主な業務です。また、他の課との調整を図ったり、必要な制度や書類の整備をすることもあります。自分の目の前の仕事と、全体を見渡す仕事の二本柱です。
入社したきっかけ・理由を教えてください。
大学卒業後すぐにJOCV(*)に参加しました。2005年からの2年間をJOCVとしてホンジュラスで過ごし、語学が好きだったので、帰国後は語学を通じてホンジュラスや国際協力にまた携われたらいいなと思っていました。そうして出会ったある翻訳会社で、フランシールの代表(伊藤)が当時社長をしていました。 その後2011年に代表は独立してフランシールを創業するのですが、それと同じころに私は中米コスタリカの日本大使館に勤務しており、赴任中にスペイン語のチェックなどでフランシールのお仕事を手伝っていました。帰国が近づいたころ、「スペイン語の担当がいないのでフランシールに来ませんか」と代表に誘っていただき、入社することになりました。 最初に入社した翻訳会社は前代の社長が樺太育ちで、事務所の壁一面が大きな本棚になっていて、ロシア語をはじめとして外国語の辞書や書籍がたくさん並んでおり壮観でしたね。 (*) JICA青年海外協力隊(Japan Overseas Cooperation Volunteers):ODA(政府開発援助)予算により実施されるJICAの事業の一つ。開発途上国からの要望に基づき、それに見合った技術・知識・経験を持つ人を現地に派遣する制度。 (出典:https://www.jica.go.jp/volunteer/support/index.html)
ホンジュラスとコスタリカではどんなお仕事をなさっていたんですか?
JOCVとして赴任したホンジュラスでは、「青少年活動」という職種で、子どもを中心とした地域開発を推進している国際NGOに所属し、グアテマラとの国境近くのコパン周辺の3つの村で子どもたちのグループを作って色々な活動を行いました。例えば、ごみ拾いや、手洗い運動や、他の村のグループとのサッカー大会など…子どもたちに自分たちの地域にとって必要だと思うことを自発的に考えてもらい、その実現のサポートをする立場でした。 現地の村は都会から離れた場所に位置していたので、娯楽の少ない土地で子どもたちが非行に走らないよう居場所を作るという目的もあったのではないかと思います。 コスタリカでは現地の日本大使館に勤務し、草の根資金協力(*)の審査・運営を担当しました。予算や件数の上限があるので、提出される申請が妥当かどうか現場を視察しに行き、申請が実現できるようお手伝いをしていました。申請が通ったあとも進捗状況のモニタリングをしながら伴走して、最後の引き渡し式まで見届ける仕事でした。 (*)草の根・人間の安全保障無償資金協力:開発途上地域の住民生活に資する活動を行う現地の非営利団体に対して資金供与を行うODAの枠組み。(出典:https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shimin/oda_ngo/kaigai/human_ah/index.html)
ある1日(起床~就寝)のスケジュールを教えて下さい。
7:15起床/朝食をとって、洗濯したり、朝ドラを観て過ごす。 9:30始業/出社、メールチェック 10:00営業会議/JICAで公示される案件や、官公庁入札案件を営業メンバーとチェックし、フォローする案件を決めていきます。 11:00課長会議/各課の売り上げ確認や採用検討・社内業務の進捗確認、月に一度の全社会議の予定の計画など。 12:30昼食/キッチンで食べたり、出かけたり。 13:30案件対応/通訳者・翻訳者の手配や、顧客とのやり取り。課員の作成した見積書のチェックや案件フォローなど(面接や外部との打ち合わせが入ることもあります) 17:30~18:30退勤/早く帰れる日は映画館に寄ります。帰宅して食事後は、Netflixざんまい。 23:00頃 就寝(でもドラマにハマって観ていたら、あっという間に24時過ぎます。)
フランシールで働いていて印象に残っているエピソードがあれば、教えて下さい。
出張でキューバへ行ったことが印象深いです。現地の通訳者さんが急きょ担当できなくなったことから、通訳の経験がほとんどないにもかかわらず代わりとして連れて行っていただくことになりました。通訳はそれほど大変ではないと事前に聞いていたのですが、行ってみると政府の「チェ・ゲバラの間」という名の立派な大広間に通され大勢の前で通訳をしなくてはならず、背筋が凍りました。 でも、そのお客様とはその後も長く関わりを持たせてもらいとても感謝しています。その経験を通して、お客様との信頼関係を構築することの楽しさ、通訳という仕事の難しさ(黒子に徹しようと思いました)も知りました。 出張では大変な思いもしましたが、体力がある若いうちに色々な場所に行くのはいいことだと思います。何ごとも経験は自分の糧になるはずです。
通訳として海外に同行したご経験もあるんですね。その経験がコーディネーター業務にも活かされているという実感はありますか?
お客様から「現地調査に行く」、「関係省庁を訪問する」といったお問い合わせをいただいた際に会議の規模などを具体的に想像することができるようになったと思います。また、通訳者の方が事前に当日の資料を見たいとおっしゃる気持ちが非常によく理解できます。
苦労した経験や、嬉しかった経験はありますか?
毎回お客様のご要望に合わせて翻訳者・通訳者の配置を検討するのですが、予定が合わないなどでどうしても人が見つからないときは苦労します。それでも、もうどうにもならなかった、というケースは記憶にありません。AがダメならB、BがダメならC、それでもダメならD…と代案を考えて切り抜ける術は身についたと思います。とはいえ、今は管理職なので、やはりチームのみんなと課の目標を達成できたときが一番の喜びですね。
管理職として、チームのメンバーとコミュニケーションをとるときに心がけていることはありますか。
話を聞いてほしいときに耳を傾けてもらえると私自身安心するので、そうありたい、という思いはあります。あなたのことをちゃんと考えて(見て)いますよ、という姿勢を見せられるよう心がけています。 チームを動かす主体はリーダーではなくメンバーなので、リーダーとして先頭に立って引っ張るだけではなく、メンバーが気持ちよく働ける環境を構築して支えることが最も重要だと思っています。例えば、メンバーが困っている様子なら積極的に話を聞いて問題解決を図ります。誰かに困りごとがあると、そこからチームの動きが鈍ってしまうので。
フランシールでの今後の目標を教えてください。
個人・チームがそれぞれの数値目標を達成して、それが最終的に会社の目標の達成につながることを目指しています。数値目標の達成は従業員の生活の安定や会社の成長・発展に直結します。会社が大きくなれば、業界での存在感を高めることもできるでしょう。 会社のメンバーがフランシールの良さを語りあえるような会社であるのが理想の姿で、「ここって(厳しさもあるけど)居心地いいよね」と素直に思えるといいなと思いますし、そのためにできることを探していきたいです。
フランシールでの楽しかった思い出はありますか?
いつもストレスなく働いていて、基本的にずっと楽しいです(笑) 個別のエピソードではないですが、メールを通じて色んな人と接する機会があることが楽しいですね。例えば通訳者さんや翻訳者さんから仕事の話のついでに旅行の写真が送られてきたり、現地のお祭りの話をしたり。それぞれの方の人となりを感じられるようなふれあいがあると楽しいと感じます。
応募や入社を検討している人へメッセージをお願いします。
フランシールは小さな翻訳通訳工房といった感じの会社ですが、通訳者・翻訳者さんは皆さんプロフェッショナルなので、プロの仕事に触れられますし、語学が好きでチャレンジしてみたい方にはその門戸が開かれています。また、国籍だけでなく様々なバックグラウンドを持つ人が働いていて、さながら、世界の縮図のような会社といっても過言ではありません。国際協力案件も多いので、旅行では行く機会がめったにないような国の状況について知ることもできますし、視野も広がります。知的好奇心を満たしてくれる環境が揃っていると思います。



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