コロナ禍の影響がまだまだ続く中、お客様たちも遠隔での業務に乗り出していらっしゃいます。フランシールの社内会議はなるべく費用をかけないでオンラインと会議をまとめるのに苦労していますが(7月31日のブログ、8月17日のブログをご覧ください)、やはり本格的な会議をしようと思ったら遠隔とはいえそれなりの費用と準備が必要になってきます。今回は失敗しない遠隔国際セミナーについての話です。
先日私は四ツ谷にある、REBASE東京へ行ってきました。ここは私たちがいつもお世話になっている同時通訳機器の会社、株式会社放送サービスセンターさんの同時通訳用スペースです。四ツ谷の8階のオフィスはまるでモデルルームで、窓からの眺めも内装も素敵でした。(株式会社 放送サービスセンター)
通常、大きな会場でのセミナーでは、会場備え付けの同時通訳用ブースや、セミナー室の片隅に設置した同時通訳ブースから会場へ通訳音声を届けます。しかし今このREBASE東京にあるのは、同時通訳のブースだけ。二人の通訳はこの部屋に設置されたブース内で通訳を行います。他のセミナー参加者やスピーカーの様子はブース内のモニターからしか確認することができません。
この日は東京や世界の数か国をつないでのプレゼンテーション。音声が止まってしまったり、映像が映らなくなってしまったりするなど各国の通信事情は様々です。
「やはり通信インフラが整っていないとオンラインは難しいんですね」
という私に、放送サービスセンターの塩田さんは
「日本の通信インフラも良いわけではないですよ。」
とのこと。必ずしも海外のインフラが悪いのではなく、日本国内の通信事情も、100%安心とは言えないそうです。
また、今まではイベント会場の中に通訳ブースも参加者のいる会場もあったので、何か不測の事態が起こっても現場へ行って対応すれば良かったのですが、オンラインの会議では、いきなり外国へ出向くわけにもいきません。同じ会議でもハラハラ感はかなり違います。
この日イヤホンを通して入ってくる通訳さんの声は、外国からのとぎれとぎれの音声よりもクリアなときもあったりして、改めて同時通訳の技術の高さを感じました。しかし通訳さんたちは、とぎれとぎれの音声から必要な情報を拾い集めることもあるので、いつもの通訳と違ってコグニティブロード(認知負荷)は増加。疲労感も大きいそうです。
(通訳の間にもアクリル板が設置されています。)
それなのに「遠くに行かなくても通訳できるようになって良かったね」とか「自宅でもできるから楽でしょう」と言われたりするらしく、これは実際にお仕事をしている人にしかわからない苦しみだな、と改めて感じました。
オンラインはただでさえハプニングがありますし、WIFIなどではさらに音声や映像が飛ぶリスクが高まります。REBASE東京、もちろんそれなりにお金はかかります。しかし、現場へブースを運んで設置するよりは安くなります。有線の環境を整えて、二人の同時通訳がタイミングを合わせて会議に参加できれば通訳音声に関する心配はかなり減ります。通訳以外にもハプニングが起こりそうなオンライン会議。せめて通訳音声だけは心配しないでおくためにも、優秀な通訳と整った環境は必須かもしれません。
「どうやって遠隔の同時通訳は行っているの?」という方、通訳のシステムについては、「オンライン同時通訳とは?② BY上畑」に詳しく掲載します。(鍋)
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