<めじろ奇譚> 東京の電車

2022年6月3日

私は都心の満員電車が苦手です。フランスで育ったこともあり、電車に乗っていると日本が高コンテクスト文化だということがよくわかります。
15年ぶりに東京の通勤時間帯に乗った際、日本人のエスパーぶりを改めて感じました。「降ります」「どいて」「痛い」「邪魔」「通ります」などを無言で発し、感知する。乗客は皆、空気で伝え合っているのです。テレパシー能力の高い人たちを見て、宇宙人に囲まれてしまったかのように感じ、驚きを隠せませんでした。

「ありがとう」「すみません」等の御礼や謝罪の言葉は家庭、学校、職場で散々うるさく言われるのに、電車では全く機能していない。ウチとソトの間隔の違いでしょうか。ドアの前に並ぶことはマナーとして当然とされているのに電車の中での一言はマナーとして認識されていない。

あれだけの人が車両にいて、誰も言葉を発さないのも異様な風景です。御礼や謝罪の一言は節約しない方がお互いギスギスせずに済む気がするのですが…

労働時間や通勤時間が長いと相手に対する思いやりの言葉を発する余裕もなくなってしまうかもしれません。そんなことを思いながら、私も疲れ切っている時には適切な言葉を発せず、あとで後悔することも。

東京の満員電車に乗ると首都圏の会社員の縮図をみているようです。スーツ姿の男性が多く、女性は半数に満たず、外国人はまだまだ少ないです。日本が高テキスト文化なのは同じ文脈を共有する者同士が対話する機会が多いからかと思います。女性や外国人が増えたら声を発する人が増えるかもしれませんね。

(フランス語担当T)

 

<<
>>

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です


カテゴリー

月別アーカイブ

お気軽にご相談ください。 無料お見積
翻訳者・通訳者を募集しています。
翻訳者・通訳者募集
お気軽にお問い合わせください。
お問合せ
サイト内検索
フランシールプライバシーマーク 株式会社フランシールは、プライバシーマークを取得し個人情報保護に努めております。


「金融・経済・法務」分野(日英)
「工業・科学技術」分野(日英)

フランシール公式チャンネル
スペイン語表現対決!
スペイン語の電話の仕方
フランシール・スタッフブログ
<MemoQマニュアル>ユーザー登録の方法(翻訳コーディネーター)
めじろ奇譚
めざせ語学マイスター
SDGs-持続可能な開発目標-
モンゴル語とロシア語の違い、なぜモンゴルではキリル文字を使う?

月別アーカイブ