文化を結びつけることわざ「寿司詰め」
交通機関のラッシュアワーや人気バンドのコンサートなど、一歩も動けない人混みの中にいたことは、誰もよくあることかと思います。
面白いのは多くの国でこのような状況を表すイディオムがあることです。
例えば、日本には「寿司詰め」という表現がありますね。
由来はもちろん折り箱に詰まっている寿司のことです。
そう、日本の名物№1の、あの「お寿司」です🙂
でもこれ、実はロシアにも似た表現があるんです。
«Как сельди в бочке» ―「樽の中のニシンのように」。
由来は以下の通りです:
漁船の船長さんが仕事で町にやってきて、ある朝、バスで役所に向かいました。しかし、そのバスは混んでいて停留所で降りられず、哀れな船長は終点まで乗ることになりました。そのまま乗って帰りに降りようと思いましたが、またしても出れません。結局、丸一日、絶望的にバスの中で過ごしました。彼は手ぶらで船に戻り、獲れた魚を見て、バスの中の自分を思い出して、「樽の中のニシンのように」と、未来のイディオムを口にしました。
欧州でも同様の表現があります。
“Packed like sardines” ―この英語の由来は恐らくイワシを缶詰にする際、密に詰め合わされることから名づけられたものだと思います。
同じニシンの缶詰からフランス語では“Serrés comme des harengs en boîte” 、ドイツ語では“Wie die Heringe”というそうです。
驚くのは、国が違っても、魚がイディオムの素材として使われていることです🤓
あなたの国にも同じようなことわざがありますか?
(Svetlana TERKINA)
こちらもご覧ください。
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