オンライン通訳の注意点

2020年9月15日

9月になり、「オンライン会議の通訳を依頼したい」というご依頼をいただく機会がぐっと増えました。お客様がリモートで行う会議の逐次通訳です。逐次通訳ですので(話者→通訳→話者→通訳と順番に話す)、機材を準備する必要はありません。オンライン会議なので通訳はオンラインでも対応できるのですが、今のところ圧倒的に多いのが、「通訳にお客様のオフィスに来てほしい」というお問い合わせです。

通訳はお客様のオフィスに伺い、事前に会議の背景やその日の議題について説明を受け、会議中は話者の隣に座って通訳を行います。話し相手はオンライン上の画面の中にいますが、お客様も、通訳も、これまでの一般的な逐次通訳と全く同じ環境で業務を行うことができます。

さて弊社では、オンライン通訳について現場の通訳者にヒアリングを行っています。オンライン会議自体がまだ始まったばかり。どのようにすればお客様や通訳にとって仕事をしやすくなるのか、実際に社内会議をリモートで行うなど(テレワーク中の会議①テレワーク中の会議②)、関係者の意見を集め、検討を重ねています。

今日はその一部をご紹介させていただきたいと思います。通訳の傭上をご検討中の方も、そうでない方も、オンライン会議の準備をする際の参考にしていただければ幸いです。

●事前に接続テスト(リハーサル)を行う。
会議を始める15~30分くらい前から参加者全員で接続を開始して、準備をしておくことをお勧めします。新しく会議に接続する場合、最初の数分はデータ負荷が大きくなり、その後徐々に安定するそうです。回線トラブルを避けるためにも、時間に余裕をみて早めに接続しておくことが大切です。マイクとスピーカーのテストもお忘れなく。

●接続はWiFiよりも有線での接続が好ましい。
日本国内でも通信インフラが安定しているとは言えません。特に自宅から参加する場合は要注意です。

●参加者はできるだけヘッドセットを使用する
PCの内蔵マイクは、話し声以外の雑音も拾ってしまう、音が聞き取りにくいなど、通訳からのトラブル報告No.1です。会議の参加者にはできるだけヘッドセット又はマイクを使用するようにお願いします。会議室用のマイクスピーカーフォンを使用する場合は性能の良いものをご使用ください。

●出席者のリストを事前に作成して参加者に共有する
話していて誰が誰なのかわからない、という声も多いです。Zoomの表示名はリストと同じ名前にするようあらかじめ参加者に伝えていただくと良いかと思います。(表示名は簡単に変更ができます)

●話していないときはマイクをミュートにしましょう。
通訳にとっては、雑音が最大の敵となります。

●事前に議題もしくは進行表をご準備ください。
オンラインの場合、話し始めるタイミングがちょっと難しいのではないかと思います。発言を仕切る進行役がいるとスムーズです。簡単なメモでも構いませんので事前にアジェンダあるいは進行表をご準備いただけると助かります。

●画面共有などで使用する資料は、事前に通訳に共有をお願いします。
突然その場で見せられた書類を翻訳するというのはかなり難易度が高いです。事前に資料を送ってくれたら5分で理解できたのに…と通訳は考えます。通訳が正しい情報を伝えるためには、とにかく事前のインプットが肝心なのです。なお、ビデオ映像の場合、その場で通訳はできませんので映像資料を使用する場合はご注意ください。

●(同時ではなく)逐次通訳ですので一人ずつ順番にお話ください。

最後は通訳からのお願いのような内容になってしまいましたが、安くない金額で通訳を使っていただくからには、最大のパフォーマンスを発揮して、お客様のプロジェクトの成功をお手伝いしたい!!と、通訳もエージェントも心から願っています。お客様がコロナ禍を乗り切るお手伝いができるよう、これからもフランシール一同で頑張ってまいります。お客様からのご意見やご要望などもぜひお聞かせください。(上畑)

パワーポイントで動画を作成する方法

2020年9月11日

遠隔セミナーやオンライン会議が増えるにしたがって、弊社でも最近では字幕作成などの映像の編集依頼が増えつつあります。
ワードやエクセルと違って動画はデータが重く、取り扱いも大変ではありますが、YouTubeやTikTokが流行していることからもわかるように、簡単に情報を伝えたいときには大変便利です。また、海外とのやり取りで音声や映像が途切れがちな時には、オンライン会議と動画を組み合わせて使うと便利かもしれません。

動画の作成方法も簡単になってきています。
本日はその中でも簡単に動画を作れる、パワーポイントを使った方法を紹介します。
研修資料作成などにも便利かと思いますし、過去に作ったプレゼン資料を動画に変更したい場合にも役立つかと思います。

今回は以前「テレワーク中の会議②」テレワーク中の会議②で添付した「オンライン会議をしよう」というパワーポイントを動画にしてみました。

この資料は今年の3月ごろ、とにかくZOOM会議に参加してもらうためにと作った、とても簡単なZOOMのマニュアルです。

その時はパワーポイントやPDFでしか使っていませんでしたが、とても簡単に動画にできるので皆さんも好きなパワーポイントがあれば是非試してみてください。

まずはパワーポイントを用意します。

プレゼン部分の用意が終わったら、音声を吹き込むためにパワーポイントのノートなどに各ページでのセリフを書きます。

セリフの用意もできたらナレーションの録音を開始します。

まずはファイルからエキスポート(①)を開きます。

その後、ビデオの作成(②)、そして「記録されたタイミングとナレーションを使用する」(③)を選びます。次の画面が開きます。

上の赤いボタンを押すとナレーションの記録が始まります。「3、2、1」と合図があったらセリフを読み上げてください。

また、臨場感を出すために、ナレーターの動画も記録することもできます。

この時、紙を見てしゃべってしまうと顔が下向きになってしまいます。画像も残したいときには、上部の「ノート」を押すとそこにセリフが現れます。ちゃんと画面を見ながら話せるので便利です。

すべてのページで録音が終わったら、録音データを確認して、その後イメージに変換します。

これで動画作成終了です!

できあがったビデオ(YouTube)はこちら。

ちなみに、本件ではZOOMを紹介していますが、昨年まで弊社ではSKYPEを使って海外との会議や通訳の面談などに使っていました。今年はGOOGLEのMEET, MICROSOFTのTEAMS、いろいろ使っています。とりあえず参考までに。

次はこのファイルを外国語にして海外の人に使ってもらうバージョンをご紹介します。(鍋)

日本の新しい顔

2020年9月4日

コロナの話ばかりだったマスコミも、ここ1週間は突然の首相辞任に、全くカラーが変わりました。今は自民党の総裁選の話でもちきりです。

しかし・・・。官房長官の菅さん、元幹事長の石破さん、政調会長の岸田さん。さらに派閥がどこにつくかどうかが総裁選に大きな影響を与えるらしいという日本の政治は本当に複雑。そもそも幹事長と官房長官はどっちが偉いんだろう。大臣はわかるけど・・・。

自民党の組織図を見ると本当に細かい組織がたくさんあります。こんなに組織がたくさんあったらいったい誰が偉いのかわからない・・・と思ったら、自民党には「党三役」というものがあるそうです。幹事長・政調会長・総務会長。これが等の中でもえらいとされるキーパーソンだそうです。確かに今候補になっている人たちは、現政調会長とか、元幹事長とかです。あれ?官房長官は?これは自民党という組織の中のポジションではなく、内閣府の中のポジションです。日本の肩書きは本当にわかりにくい!さらにここには派閥という自民党の中のグループが絡んでくるそうで、混乱に拍車をかけます。

しかし党三役も議員も男性ばかり。日本で女性首相が現れるのは孫の孫の代かもしれません。(鍋)

今日のことば(自民党の党三役を中心に)

■自民党
英語: Liberal Democratic Party of Japan
フランス語 : Parti libéral-démocrate du Japon
スペイン語 : Partido Liberal Democrático de Japón
スウェーデン語:Liberaldemokratiska partiet (Japan)
ロシア語:Либерально-демократическая партия Японии
中国語:自民党

■自民党幹事長
英語: Secretary-General of the Liberal Democratic Party
フランス語 : Secrétaire general du Parti liberal-démocrate
スペイン語 : Secretario general del Partido Liberal Democrático
スウェーデン語:Generalsekreterare för Liberaldemokratiska partiet
ロシア語:Генеральный секретарь Либерально-демократической партии
中国語:自民党干事长

■自民党政調会長(政務調査会長)
英語: Chairperson, Policy Research Council of the Liberal Democratic Party
フランス語 : Président du conseil de recherche politique du Parti libéral-démocrate
スペイン語 : Presidente del Consejo de Investigación Política del Partido Liberal Democrático
スウェーデン語:Ordförande, Liberaldemokratiska partiets kommitté för policyforskning
ロシア語:Председатель Политического совета Либерально-демократической партии
中国語:自民党政调会长(政务调查会长)

■自民党総務会長
英語: Chairperson, General Council of the Liberal Democratic Party
フランス語 : Président du comité des affaires générales du Parti libéral-démocrate
スペイン語 : Presidente del comité general del Partido Liberal Democrático
スウェーデン語:Ordförande, Liberaldemokratiska partiets generalkommitté
ロシア語:Председатель Исполнительного совета Либерально-демократической партии
中国語:自民党总务会长

■派閥
英語: (political) faction
フランス語 : Faction
スペイン語 : Facción (política)
スウェーデン語:(politisk) fraktion
ロシア語:Фракция
中国語:(日本政治の文脈で)派阀、(一般的には)派系

その他自民党の各職の英語名はこちら

■官房長官
英語: Chief Cabinet Secretary
フランス語 : Secrétaire general du Cabinet
スペイン語 : Secretario general del gabinete
スウェーデン語:Förste kabinettssekreterare
ロシア語:Генеральный секретарь Кабинета министров
中国語:(内阁)官房长官

その他の内閣官房の英語名はこちら

オンライン同時通訳とは?②

2020年9月4日

前回の記事(オンライン同時通訳とは?①)から少し時間がたってしまいましたが、今回はZoomのウェビナー機能を使ったオンライン同時通訳について書きたいと思います。

なお、緊急事態宣言以降、RSI(遠隔同時通訳)の技術はまさに日進月歩しており、進化は止まりません。このブログに記載する情報は2020年9月現在のものであり、今後も更新されますのでご注意ください。

お客様がZoomのウェビナー機能を使ったセミナーに同時通訳を付けたい場合、Zoom(有料版)に搭載された「言語通訳機能」を使用することができます。とても便利な機能で、参加者は画面下にある通訳ボタンで言語を選択するだけでOK。

ただし、この機能は通訳者側にとってはまだ運用上の問題がいくつかあり、ただ通訳を2~3名用意すればよいという具合にはいきません。そこで弊社では、前回の記事(コロナ禍での遠隔セミナー)でご紹介した通訳センター、REBASE東京から遠隔で同時通訳を行う方法をご紹介させていただいております。

実際の流れはこうです。ホストがZoomでウェビナーを開催すると、インターネットを経由してREBASE東京に届きます。通訳者はREBASE東京にある通訳ブースで同時通訳を行い、その音声はまたインターネットを介してウェビナーに届く… 。この方法を使えば、カメルーン人がフランス語で行うプレゼンを、東京で英語に通訳して、ケニアや南アフリカにいる参加者に届けることができるわけです。遠隔通訳を初めて見たとき、アラフィフの私は、技術の進化に心底感動してしまいました。

現在、さまざまな遠隔同時通訳インターフェースがリリースされていますが、この方法の最大のメリットは、参加者が通訳音声をZoomの言語ボタン一つで簡単に聞くことができる、つまり「どの国の参加者にとっても、簡単で使いやすい」という点です。

実際にウェビナーに参加してみると、Zoomから「通訳音声が聞けますよ」というメッセージが表示され、上の写真にある言語バーをクリックするだけで、通訳音声を聞くことができました!

もちろん遠隔であるが故のデメリットやリスクもありますが、現状ではエンジニアのサポートによって、安定した通訳をお届けすることができています。

(遠隔通訳の音声は、エンジニアが最適な状態に調整したうえでウェビナーに流れます。)

オンラインでのセミナーをご検討中の方はぜひご相談ください。

次回は、オンライン通訳をご依頼いただく際の注意点について書きたいと思っています。
なるべく頑張って早急に書きますので、よろしくお願いいたします。(上畑)

コロナ禍での遠隔セミナー

2020年9月2日

コロナ禍の影響がまだまだ続く中、お客様たちも遠隔での業務に乗り出していらっしゃいます。フランシールの社内会議はなるべく費用をかけないでオンラインと会議をまとめるのに苦労していますが(7月31日のブログ8月17日のブログをご覧ください)、やはり本格的な会議をしようと思ったら遠隔とはいえそれなりの費用と準備が必要になってきます。今回は失敗しない遠隔国際セミナーについての話です。

先日私は四ツ谷にある、REBASE東京へ行ってきました。ここは私たちがいつもお世話になっている同時通訳機器の会社、株式会社放送サービスセンターさんの同時通訳用スペースです。四ツ谷の8階のオフィスはまるでモデルルームで、窓からの眺めも内装も素敵でした。(株式会社 放送サービスセンター

通常、大きな会場でのセミナーでは、会場備え付けの同時通訳用ブースや、セミナー室の片隅に設置した同時通訳ブースから会場へ通訳音声を届けます。しかし今このREBASE東京にあるのは、同時通訳のブースだけ。二人の通訳はこの部屋に設置されたブース内で通訳を行います。他のセミナー参加者やスピーカーの様子はブース内のモニターからしか確認することができません。

この日は東京や世界の数か国をつないでのプレゼンテーション。音声が止まってしまったり、映像が映らなくなってしまったりするなど各国の通信事情は様々です。
「やはり通信インフラが整っていないとオンラインは難しいんですね」
という私に、放送サービスセンターの塩田さんは
「日本の通信インフラも良いわけではないですよ。」
とのこと。必ずしも海外のインフラが悪いのではなく、日本国内の通信事情も、100%安心とは言えないそうです。

また、今まではイベント会場の中に通訳ブースも参加者のいる会場もあったので、何か不測の事態が起こっても現場へ行って対応すれば良かったのですが、オンラインの会議では、いきなり外国へ出向くわけにもいきません。同じ会議でもハラハラ感はかなり違います。

この日イヤホンを通して入ってくる通訳さんの声は、外国からのとぎれとぎれの音声よりもクリアなときもあったりして、改めて同時通訳の技術の高さを感じました。しかし通訳さんたちは、とぎれとぎれの音声から必要な情報を拾い集めることもあるので、いつもの通訳と違ってコグニティブロード(認知負荷)は増加。疲労感も大きいそうです。

(通訳の間にもアクリル板が設置されています。)

それなのに「遠くに行かなくても通訳できるようになって良かったね」とか「自宅でもできるから楽でしょう」と言われたりするらしく、これは実際にお仕事をしている人にしかわからない苦しみだな、と改めて感じました。

オンラインはただでさえハプニングがありますし、WIFIなどではさらに音声や映像が飛ぶリスクが高まります。REBASE東京、もちろんそれなりにお金はかかります。しかし、現場へブースを運んで設置するよりは安くなります。有線の環境を整えて、二人の同時通訳がタイミングを合わせて会議に参加できれば通訳音声に関する心配はかなり減ります。通訳以外にもハプニングが起こりそうなオンライン会議。せめて通訳音声だけは心配しないでおくためにも、優秀な通訳と整った環境は必須かもしれません。

「どうやって遠隔の同時通訳は行っているの?」という方、通訳のシステムについては、「オンライン同時通訳とは?② BY上畑」に詳しく掲載します。(鍋)

「オンライン同時通訳とは?① BY上畑」はこちらから

A.I とI.A

2020年8月31日

「FRANCE JAPON ECO」という雑誌があり、フランス商工会議所のメンバーにおくられてくる日本語とフランス語の雑誌があります。先日送られてきた表紙を見て、「え!」と二度見してしまいました。「I.A!」。 まさか「A.I.」の誤植??表紙から??

いえいえ、そうではありません。Intelligence artificielle(フランス語), Inteligencia artificial(スペイン語)など、ラテン系の人工知能(AI)はこの略語が正しいようです。確かにラテン語は後ろから形容するから仕方ないのかもしれませんが、どこかで「英語とは違うんだ」という言語の意地を感じます。

もちろんAI自身はそんな言語による違いもすでに把握しています。試しにGOOGLE翻訳で「英語→フランス語」に「AI」と入れてみたらすぐに「IA」を出してくれます。人工知能は私たちが寝てる間も発展し、知らないことなどないのかもしれません。

しかしAIだって最近は人間みたいなミスもおかします。例えば

GOOGLE翻訳で日本語から英語を選び、日本語の欄に「白黒白黒白黒白白白黒」と入れると
「Black and white black and white black and white white white black and white」(!)
と、なぜか最後に白を足してしまいます。ちなみに赤黒赤黒赤黒赤赤赤黒(Red black red black red black red red red black)では問題なく訳されるので、白黒バージョンのほうがよりたくさんの対訳データがあり、そちらでは「Black and white」と対になる確率のほうが高いから上記のような結果が出るのかなと思います。

先日は「当機構」という言葉がある文章を入れてみるとすべて「JQA」となり、「なんの略号だろう?」と思って調べると、ある財団法人の名前でした。多分AIはそこの対訳コーパスをたくさん食べたんだろうと思います。

すごく出来るけど、やってしまうミスがだんだん人間っぽくなってきて、「やっぱり少しお世話してあげないとね。」と、個人的には少し親しみが沸いてしまいます。

ちなみに、2013年にオックスフォード大学の研究者らが発表し、日本の教育現場でも「今の職業は10年後にはなくなっているのでは?」と、話題になる論文(THE FUTURE OF EMPLOYMENT: HOW SUSCEPTIBLE ARE JOBS TO COMPUTERISATION?
<雇用の未来:コンピュータに代替される職業は?(仮訳)>:https://www.oxfordmartin.ox.ac.uk/downloads/academic/The_Future_of_Employment.pdf)では、リスト化された702の職業のうち、コンピュータに代替されにくい職業として「翻訳・通訳」は上から265位についています。正直700番台あるいは600番台後半かと思ったら、意外と代替されにくいランクにつけていました。上のようなAI翻訳の残りを整理する仕事や、AIに食べさせる対訳コーパス作りといった地味な仕事がAIのためにもあるからかもしれません・・。(鍋)

今日の用語(せっかくなのでAIにちなんで)

■人工知能(AI)
英語: Artificial Intelligence
フランス語 : Intelligence artificielle
スペイン語 : Inteligencia artificial (IA)
スェーデン語: Artificiell Intelligens
ロシア語 : Искусственный интеллект
中国語: 人工智能

■機械学習
英語: Machine Learning
フランス語 : Apprentissage automatique
スペイン語 : Aprendizaje automático
スェーデン語: Maskininlärning
ロシア語 : Машинное обучение
中国語: 机器学习

■深層学習(ディープラーニング)
英語: Deep Learning
フランス語 : Apprentissage profond
スペイン語 : Aprendizaje profundo
スェーデン語: Djupinlärning
ロシア語 : Глубокое обучение
中国語: 深度学习

■強化学習
英語: Reinforcement Learning
フランス語 : Apprentissage par renforcement
スペイン語 : Aprendizaje por refuerzo
スェーデン語: Förstärkningsinlärning
ロシア語 : Обучение с подкреплением
中国語: 强化学习

■深層強化学習
英語: Deep Reinforcement Learning
フランス語 : Apprentissage profond par renforcement
スペイン語 : Aprendizaje por refuerzo profundo
スェーデン語: Djup förstärkningsinlärning
ロシア語 : Глубокое обучение с подкреплением
中国語: 深度强化学习

■技術的特異点(シンギュラリティ)
英語: Technological Singularity
フランス語 : Singularité technologique
スペイン語 : Singularidad tecnológica
スェーデン語: Teknologisk singularitet
ロシア語 : Технологическая сингулярность
中国語: 技术奇(异)点

フランスでの新しいジェンダー表現「・・teur.rice」とは?

2020年8月26日

Écriture inclusive (性中立的言語・ジェンダーインクルーシブな書き方)

2020年6月のフランスの市町村議会選挙では、緑の党のグレゴリー・ドーセット氏が
18年間リヨン市長を務めていた社会党のジェラール・コロンを破ってリヨン市長に当選しました。

驚くことに、彼が最初にとった政策は、リヨン市でécriture inclusive (性中立的言語・ジェンダーインクルーシブな書き方)を定めることでした。革新派から、フランス語標準語における性別に関して、女性形より男性形の方がその地位を確立してしまっているとの批判の声が上がっていたためです。

フランス語では、男性名詞および女性名詞という文法的な概念がありますが、大多数の役割や職業を指す場合の名詞は男性名詞です。その役割や職業に女性が含まれていても複数になると男性形になり、結果、男性しかいないという印象を助長してしまいがちです。これを回避するため、スペルの変更が求められてきました。

しかし、男女平等に貢献する政策だと見られる一方で、厳しい立場を示す専門家もいます。フランスの国立学術団体アカデミー・フランセーズは「この書き方は危険だ」と述べています。反対派は「単語のスペル変更だけでなく、文字の後ろにドット(.)を追加することは、障がい者や外国人にとってただでさえ難しいフランス語をさらに読みにくくする」といっています。

例えば、この新しい書き方では「inspecteur」(検査官)という単語は男性、女性が混じる複数になると、「inspecteur.rice.s」となりますが、文章の終わりのピリオド(.)と、その特殊な字体のドット(.)との区別が分かりにくくなる心配があります。

それでもドーセット氏は、「écriture inclusive (性中立的言語・ジェンダーインクルーシブな書き方) の重要性を強く信じている」と発言しています。

個人的には、ドットを入れる書き方をやめた方がいいと思います。
フランス語を勉強したい人の数が減少すると、フランスという国の魅力も失われ、間接的に経済まで影響が及ぶとも考えられます。
例えば、Les coordinateurs.rices de Franchirではなくて、Les coordinatrices et les coordinateurs de Franchirと現した方が良いと思います。ドットを使わず女性を強調する書き方が既にあります。(ダミアン)

(旅ブログ)フランスのミヨー大橋

2020年8月25日

先日もブログを寄せてくれたフランス語通訳の橋爪さんより、以前行かれたフランス南部にあるミヨー橋について寄稿いただきました。


2005年に退職した兄と一緒に南仏を旅しました。
その時に建設されたばかりのミヨー大橋を車で渡りました。
世界一高い橋として有名です。
建設されたのは2004年12月で、僕らが訪ねたのは2005年9月でした。

あんまり素晴らしい橋なので、車のスピードを緩め、
一時停車でもしようと思った途端、後ろから憲兵隊の車が来て「ここは一時停車禁止」との命令。やむなくのろのろ橋を渡りました。

一時停止をして眺めの良い風景を写真にでも収めようとする観光客は、大勢いて、それを見るとすぐに憲兵隊が飛んできます。
やむなく停車不可能ということになり、観光客もしぶしぶ下界の方へ向かって車を走らせます。

大きなループを描きながら下界へ降りてみると、土産物センターがありました。橋下からの長めです。
地面から主塔までの高さは342mあります。地面から橋の道路までの高さは270m(最高部で)。

せっかく来たので、兄と記念撮影。

土産物センターで絵葉書を買いました。
というのも自分で撮る写真では、大橋の全体が撮れません。
特別な高地へ行かないと撮れないので、そこは絵葉書で代用することにします。

「Designer: FOSTER and PARTNERS
Photo : C.E.V.M・Daniel JAMME・Millau ©」

芸術的なセンスと工学的な緻密さが一体融合した見事な大橋です。
南仏へ行ったら是非一度訪ねてみてください。
橋爪 雅彦

話す機械

2020年8月25日

様々な国籍の社員が出社しており、母国語も文化もバラバラなフランシールでは、異文化交流することが日常の風景です。そして日本人にとっては当たり前でも、日本在住の外国人にとっては不思議だと思える事がたくさんあります。今回の記事は、その一つの不思議な事から始まった会話を紹介します。以前の「オーライと往来」の記事にて、トラックがバックする時に誘導するための言葉の話が紹介されましたが、今回の話はその日の会話の続きになります。
毎日、新型コロナウイルスの情報が取り上げられるこのコロナ渦の中、コロナの関係ない記事を投稿し、少しでも気分転換になれば幸いです。

「そういえば、車の『バックします、バックします』と言ってくれる機能は、みんなの国にはある?」
と尋ねるナベタさん。
「ないね・・・!」と外国人の皆さんが答える。
「そうなんだ!」とびっくりするナベタさん。
そして、カナダ人である私が答えました。
「そうそう、カナダの車はそういう機能がある車は声より、「ピーピーピー」という音がしますよ。」

そこから私が頭に浮かべたのは、約10年前留学生として初めて来日した私でした。
日本は、私が生まれ育ったカナダのモントリオール市とあまりに離れているので、文化や習慣、気候、食文化、言葉、ほとんど全部が違っていて、全部が新鮮でした。
文化の違いは想像していましたが、当時、一番印象的だったのは、とても単純なことでした。
それは、日本では、「話す」機械が多いことです。
電車ももちろん、そして券売機、信号、ATM、エスカレーター、救急車と消防車、お風呂の給湯器も…。
逆に、「話さない」機械が珍しいくらい、機械がよく話しています。
それは、なぜでしょうか?
日本人の友達や同僚に聞いてみても、わかりません。

日本は、上下関係文化が独特で、社会の色々な場面で、相手やものに対して尊敬を表す言語や作法がたくさんあります。そして、細かいことでも気を配り、丁寧に行動します。
機械が作れるようになった時は、既存の尊敬文化を機械でも参加できるように、話す機能を統合したのでしょうか。機械が話せることによって、使用者に対して指示を丁寧に説明するために人間の声に決めたかもしれません。
「話す機械」の特徴は、そちらから来たのかなと、私は思っています。
あくまで私の仮設ですが。
皆様はどう思いますか。

現在に至って、社会人として日本に在住している今の私が、逆にカナダに帰国するときは、機械が静かで、毎回びっくりしているんです。
上記のようにの「日常の風景」はやはり、この世の中に数えきれないほどあるからこそ、異文化交流が興味深いですね。 (マドレーヌ)

翻訳メモリとフランシール

2020年8月21日

先日の定例会でMemoQの方に講義してもらいましたが、今回はその翻訳メモリ(または翻訳支援ツール、CAT)について。翻訳メモリは以前はTRADOSが主流でしたが、最近ではMemsourceやMemoQなど新しいソフトも出てきています。翻訳メモリと機械翻訳は良く混同されますが、実は違うもので、翻訳メモリは自動的に訳してくれるわけではなく、まずは類似の対訳データをインプットする必要があります。

例えば
■私はりんごは好きだけど、オレンジは嫌いです。
(I like apples but I don’t like oranges.)
という対訳データがあります。
次に、
■私はりんごは好きだけど、なしは嫌いです。
という文章が出てきた場合、違うところは「オレンジ」と「なし」だけ。
翻訳メモリは「メモリにある文章と90%同じです」と教えてくれる、そんな感じが翻訳メモリです。
「I like apples but I don’t like (X) oranges.(90%)のように
違うところにマークがでてきて、「ここだけ変えたらその翻訳ができるますよ。」と教えてくれます。

そして、I like apples but I don’t like pears. とインプットしておけば、これがまた対訳メモリとしてデータ化され、次に「私はりんごは好きだけど、なしは嫌いです。」という文章がえてきたら「100%一致しています。翻訳する必要ありません。」と教えてくれるのです。

「あれ、似たような文章、さっきなかったっけー?」という記憶力が少ない人はこの機能がないと「I like apples, but I dislike pears.」など、意味的にはあってるけれど、違う文章を作ってしまうかもしれない、それを避けるためのソフトです。特にマニュアルなどで「右ボタンを押す」と書いたのに次のページでは「右ボタンを押してください。」と書いたりすると全体の統一感がとれないので大変重宝します。

これに対して、機械翻訳は予め決まった対訳データがあるわけではなく、
「私は」「I」
「りんごが好きです。」「like apples」
と置き換えていくものです。間違えませんが、出来上がった翻訳もどこか不自然でした。

しかし2016年、それまで機械翻訳らしく、不自然な翻訳をしていたGOOGLEがニューラル翻訳を開始しました。世界中の対訳集をかき集めて、AIに読み込ませ、文章を前からだけでなく、後ろからも分析して類似のコーパスを見つけてくる翻訳方法に代わりました(そうやってぐねぐね分析して翻訳するのでニューラル(神経)翻訳と呼ばれています)。出来上がる文章もかなり自然になりました。社内のアメリカ人コーディネータが「うわ!全然違う!」とびっくりしていたのを覚えています。(我々の仕事は終わったのか、とみんな青くもなりました。)

その後上記の翻訳メモリにもそういったAI翻訳機能を搭載することが可能になりました。つまり、対訳コーパスが用意されていなかったら翻訳できなかった翻訳メモリも、今ではゼロからの翻訳でもAI(機械)翻訳が訳文を提案をしてくれる、ということです。

私が学生のころは翻訳家といえば着物で机に向かって万年筆をもって苦悩する、文学者風情のイメージがありました。しかしその後翻訳会社に入り、商業翻訳が「1文字10円」などの内職のような仕事であることに驚き、その厳しさを痛感しました。
そして今、AI翻訳や様々なソフト連携の説明書からみる翻訳フローは、工学部のテキストのようです。商業翻訳はとうとう翻訳工学になりつつあります。

ただ、フランシールが取り扱う翻訳は、翻訳メモリの機能も単語レベルでしか使えない(調査報告書など案件特有の)翻訳や役所から発出される紙ベースの翻訳などのオートクチュール的なものがまだまだ多く、会社もいまだ翻訳工房的な雰囲気です。でも周囲を見渡すと翻訳は翻訳工場で大量生産されつつあり、今日の翻訳はまるでファストファッション。今後は圧倒されないよう奮闘しつつ、いかにAIと協働していくか考える必要があるのかなと思っています。

個人的には早くドラえもんのような優しいAIロボットが現れて、「ねえこの汚いスキャンデータをきれいなワードに訳して」とか「お客の書いてる日本語の意味がわからないから聞いてきて」とか「この名前、なんて読むのか確認お願い!」など、あらゆる要望に応対してくれないかなと思っています。・・・いや、待てよ。よく考えたらその逆で、私たちがAIにそれらの細かい仕事を頼まれる可能性のほうが高いかもしれません。将来私たちはロボットにお茶出しとかしているかもしれませんね!(鍋)

今日のワード
■翻訳支援ツール
英語: computer-assisted translation (CAT) tools
フランス語 : outil d’aide à la traduction
スペイン語 : herramientas de TAC
ロシア語 :Средства автоматизированного перевода
中国語:计算机辅助翻译 または 电脑辅助翻译

■翻訳メモリ(TM)
英語:translation memory (TM)
フランス語 : mémoire de traduction
スペイン語 : memoria de traducción (MT)
ロシア語 :Память переводов
中国語:翻译记忆(库)

■ニューラル機械翻訳
英語: neural machine translation
フランス語 : traduction automatique neuronale
スペイン語 : traducción automática neuronal (NMT)
ロシア語 :Нейронный машинный перевод
中国語:神经机器翻译

■翻訳API(Application Programming Interface)
(最近増えてきた、WEBサイトやアプリを丸ごと翻訳してくれるサービス。
対訳データを預け、AI翻訳を自分好みに大量に作ってくれるサービスです。月額いくら、といった形で契約すると決まったワード数まで翻訳してくれるものが多いようです。)
英語:
translation API (application programming interface)
フランス語 :
API (interface de programmation d’application, 又は interface de programmation applicative)
スペイン語 :
API (Interfaz de Programación de Aplicaciones) de traducción
ロシア語 :
API (программный интерфейс) для машинного перевода
中国語:翻译应用程序接口

(旅ブログ)ドイツ提携先翻訳会社の社長さんより

2020年8月18日

本日はドイツの提携先翻訳会社の社長さん(Aさん)より現地の素敵(不思議?)な写真と様子が届きました。これがドイツ?北海のイメージががらりと変わります  。ひとときのバカンスの雰囲気を是非お愉しみください。(鍋)


毎年、夏には日本に一時帰国して、ときどきフランールさんにもご挨拶に押しかけたりしていました。しかし、今年はコロナ騒ぎで、久しぶりに夏休みを国内(ドイツ)で過ごしました。残暑お見舞いをかねて、レポートします。

北海に浮かぶボルクム島に家族で旅行しました。東フリースラント諸島最大の島ですが、丸一日あれば自転車で島を一周できます。


ボルクム島のメインビーチ

ドイツの海辺に並ぶのはビーチパラソルならぬシュトラントコルプ(直訳するとビーチバスケット)。カゴにすっぽり包まれるようにして座り、強い日差しから守られながら海辺でゆっくり過ごすのがドイツ流。カゴは荷物を置いて施錠できるので、マイ「海の家」にもなります。

海水浴もさることながら、個人的に今回の旅行のハイライトだったのは、あざらし。遠浅のときは、砂州の対岸に寝そべるあざらしを双眼鏡で眺めることができます。望遠カメラで撮った画像を以下にお裾分けします。

のんびりとお昼寝している(ように見える)あざらしの姿はいつまで見ても見飽きず、癒やされます。ときどき、思い出したように背伸びしたり、ハイハイしながら海に飛び込んだりする姿が、また愛らしい。

海があって、お日様が照っていて、仲間に囲まれて・・、なんて平和な世界なのだろう。私たちがコロナ騒ぎであたふたしている間も、彼らはずっとこうやって悠然と寝そべってきたに違いない。人間の悩みなんてちっぽけに思えてきます。

休暇に入ってすぐの時期であったためか、島は予想していたほど混み合っていませんでした。しかし、国内で休暇を過ごそうというのはドイツ全体の流れで、南ドイツを中心とする国内の行楽地はどこも混雑しているそうです。

観光客が押しかけたアルプスの街々は大喜びと思いきや、7月下旬には住民の反対デモまで起きています。あまりの渋滞、騒音、ポイ捨てのゴミに辟易してのことだとか。確かに、バイエルン地方の湖畔でビールを飲み捨てて帰るような心なき観光客は、今までは少なかったように思います。いつもならスペインのマヨルカ島あたりでパーティーに興じていた輩たちが国内に流れたからではないでしょうか。

州によっては新学期を迎えた今(ドイツでは州によって夏休み期間が異なります)、休暇先での感染による第二波の到来に戦々恐々としています。私の住む州でも学校の再開から一週間足らずで感染者が出て、早くも閉鎖を迫られる学校も出ています。

コロナとの闘いにはまだまだ終わりが見えません。しかし、煮詰まったときは、あの島に今も流れている「あざらし時間」のことを思い出そう ―― そう思って仕事場にはあざらしの卓上カレンダーを置いています。

テレワーク中の会議②

2020年8月17日

8月13日、フランシールの月例会です。再び数名で近くの明日館へ向かうと、会議室には大きなモニターが置かれていました。前回の会議の帰りに「大きなモニターが欲しい」と事務所に伝えて帰ったせいでしょうか、まさに希望するサイズの機材が持ち込まれていました。(レンタル料3000円)

今回は後半に翻訳メモリソフト、MEMOQの三浦さんがクラウド版ソフトについてオンラインで講義してくださることになっていました。以前の小さいモニターでは、みんながモニターの前に集まることになりまさに「密」状態になるため、各自がPCを持ち込んでの会議をすることとしていました。でも、大きなモニターがあればもう十分です。

そうなると、もう小さいPCはいらないのですが、開きたい人は明日館の机からでも参加してもいいことにしました。

ZOOMに参加者が次々集まってきて、さあ会議、と思ったら「キーン!」とハレーション。今度は同じ部屋にあるPC同士が反応してしまったようです。「マイクオフにして!」と再び騒然。そしてオフにしたあとも通信が止まる事態に。どうやら明日館のフリーWIFIにみんなで接続してしまったせいで通信が弱くなってしまったようです。前回はモバイルWIFIを持ち込んでいましたがフリーWIFIで足りたので、今回は持ち込まなかったら、この状態に。PCの数を考えていませんでした。毎回いろいろ思い知らされます。

(*会議通訳などの派遣時には機材屋さんに機材とエンジニア派遣を依頼するのでこういったハプニングは起こりません。あくまで自社内でコストをかけずにオンライン会議を行うための試行です。)(鍋)

 

大きいモニターで快適なオンライン講義。

司会者の顔もみんなにばっちり。

オンライン会議をしよう!0814

今年5月の緊急事態宣言時にわかりやすいZOOMオンライン会議の仕方をまとめました。

これからやろうかな、という方のお役にたてると幸いです。

フランスの今年の言葉”CONFINEMENT”について

2020年8月14日

今年はフランスやイタリアをはじめ、コロナ禍で外出禁止令が施行された欧州諸国で1957年にノーベル文学賞を受賞したフランス人小説家アルベール・カミュの代表作「ペスト」に対する関心が高まりました。1947年に出版されたこの物語りの舞台は1940年のフランス領アルジェリアのオランという、黒死病に襲われ封鎖された港町です。そういった過酷な状況における人間が経験する不安や恐怖は、新型コロナウイルスによって日常生活の激変に見舞われる現在の人たちの心にも響くところがあったんでしょう。

さて、本題に入りましょう。フランスに毎年「言葉祭り」が開催され、その時に「今年の言葉」が選ばれます。2020年度の「今年の言葉」は、もちろん、「confinement 」です。元々は「閉じ込め」や「隔離」の意味で囚人の状態を表すためによく使われていた単語で、現代は特に原子力事故や化学災害の際の対応措置を指します。ただし、不思議なことに、「ペスト」には、「confinement」や動詞「confiner」は一切出てきません。その代わりに見受けるのは「quarantaine」という言葉です。数字の「40」をフランス語で「quarante」と言うため、フランス語学習者にとっては少し馴染みのある単語かもしれません。「検疫」の意味の「quarantaine」は中世イタリアからきて、当時は感染症が流行している船舶の乗員は40日間上陸できずに船内での待機を余儀なくされていたことが語源になります。病気によって検疫期間が変わるものの、単語は17世紀から変わっていません。

最後に、この度のコロナ禍では14日間の隔離が必要とされていることから、「quarantaine」に倣って「quatorzaine」という単語も使用されるようになっています。感染症関連の文脈で「14日間の検疫」という意味になります。(ノブル)

ペストとコロナ

2020年8月11日

アルジェリア大使館にフランス語翻訳の認証を依頼しにいくと、まだ用意に時間がかかるとのことだったので恵比寿近辺で時間をつぶすことにしました。とはいえこのコロナ禍。入店前の消毒とマスク着用、ビニールシートで覆われた化粧品に気がめいり、喫茶店でセクレタリーからの電話を待つことにしました。

待っている間に読んだのはカミュのペスト。そして舞台はくしくもアルジェリアのオラン。ネズミの大量死が町中で発見されたあと、少しずつ原因不明の患者と死者が増加。週単位で数えていた死亡者数が1日単位でカウントされるようになり、楽観的だった人たちがどんどん打ちしおれ、町の観光は破滅していく・・・。季節は夏。昼間、太陽の光線が町中に降り注ぐ様子などはさながら今のコロナ禍の東京を書いたようです。

先日フランス語で「Confinement(都市封鎖)」をテレビで聞いて「ロックダウンって言わないんだ!初めて聞いた!」と思いましたが、この単語、カミュのペストには見当たりません。あれ?Confinementは??
小説にでていたらきっと調べていただろうに・・。
(こちらについての説明はフランス人スタッフ、ノブルさんが記事を書いているので終わり次第ブログに載せます。ご期待ください。)

セクレタリーから電話がかかってくると「どう?恵比寿のコーヒーはおいしかった?」と急ぐ私にのんびりした優しい声。思えば私がフランス語を勉強し始めたきっかけはアルジェリア人からもらったフランス語のポエムでした。切っても切れない縁を感じます。(鍋)

今日の用語 (コロナ報道でよく使われる用語)

■重症患者
英語: patient(s) in critical condition
フランス語 : patient(s) grave(s)
スペイン語 : paciente(s) grave(s)
ロシア語 :Тяжелобольной пациент
中国語:重症患者

■無症状患者
英語: patient(s) with an asymptomatic condition
フランス語 : patient(s) asymptomatique(s)
スペイン語 : paciente(s) asintomático(s)
ロシア語 :Бессимптомный пациент / бессимптомный носитель
中国語:无症状患者

■濃厚接触者
英語: person in close contact (with someone who has COVID-19 )
フランス語 : personne(s) en contact étroit (avec des personnes infectées par la COVID-19)
スペイン語 : persona(s) en contacto cercano (con alguien que tiene la COVID-19)
ロシア語 :Лицо, находившееся в тесном контакте с заражённым
中国語:密切接触者

■経路不明者
英語: person infected via an unknown route of transmission
フランス語 : personne(s) infectée(s) dont la voie de transmission est inconnue
スペイン語 : persona(s) infectada(s) cuya(s) vía(s) de transmisión es/son desconocida(s)
ロシア語 :Лицо, заражённое через неизвестный путь передачи инфекции

中国語:感染途径不明者

■入院患者
英語: hospitalized patient(s)
フランス語 : patient(s) hospitalisé(s)
スペイン語 : paciente(s) hospitalizado(s)
ロシア語 :Стационарный пациент
中国語:住院患者

■新規陽性者
英語: new positive cases
フランス語 : nouveau(x) cas positifs
スペイン語 : nuevo(s) caso(s) positivo(s)
ロシア語 :Новые заражённые (с подтверждённым коронавирусом)
中国語:新增阳性者

■集団感染
英語: cluster /outbreak
(*outbreakは週単位などの同時期に同じ場所で発生する感染症のことで、cluster はより制限された場所や区画で発生する感染症をさします。日本ではクラスターといえば新型コロナウイルスなどに関連付けられて考えられがちですが、英語のcluster は単なる「集団や塊」という意味もあります。)
フランス語 : infection(s) de masse
スペイン語 : infección masiva
ロシア語 :Вспышка инфекции в эпидемическом очаге
中国語:聚集性传染または集体感染

今となっては老眼のせいですっかり字が小さく感じる文庫本。昔も今もわからない単語が多いです。

(旅ブログ)碓氷峠とアプト式鉄道

2020年8月11日

群馬在住のフランス語通訳さんからお近くの碓氷峠案内とその素敵な写真が届きました。
私はアプト式の鉄道は聞いたことがありませんでした。
たまには国内の名所に立ち寄って昔の技術に思いをはせるのもいいですね。(鍋)


僕の家から車を飛ばして30分、
閑静な碓氷峠の中の橋です。

かつてはここを鉄道が走っていました。
アブト(アプト)式という鉄道です。

① 碓氷第三橋梁 (めがね橋)

国指定の重要文化財です。
4連のアーチをもつ橋で、レンガ造りです。
レンガはこの橋だけでも200万個を使用しています。

明治24年(1891)に工事着工され、明治26年(1893)完成しました。

日本の土木工事史上、最大の工事犠牲者が出たと云われています。
およそ500人以上の方々が工事で命を落としました。

群馬県の横川駅と輕井沢を結ぶ路線で、
横川と軽井沢の高低差500m以上ありました。

当然、普通の蒸気機関車では上ることができません。
そこで当時スイスで使用されていたアプト式線路を導入しています。

僅か11.2KMの行程を26のトンネルと18の橋梁で結んでいます。
その三番目の橋がこのめがね橋(通称)です。

② 現在、橋梁上の線路は廃され、遊歩道になっています。

③ 正面のトンネル内

④ かつてはここを汽車が走っていました。


(この写真は、「碓氷峠鉄道文化むら 資料館展示」からの複写です。)

⑤ アプト式と蒸気機関車


(この写真は、「碓氷峠鉄道文化むら 資料館展示」からの複写です。)
鉄のレールの真ん中にあるのが、アプト式の線路です。
列車内に仕掛けられた鉄輪が、このギザギザの鉄路に引っかかり、
ゆっくりと上り下りしました。
峻厳な山道を上り下りするのに好都合な線路です。

⑥ 500人の慰霊を祭る慰霊塔

蚕糸王国、長野県の繭(まゆ)と生糸を横浜へ送る、
明治の時代、輸出の最高峰は、繭と生糸でした。
全輸出高の40%近くを占めていました。

この大事な「糸が変じて黄金となる」ものを、
横浜から輸出して外貨を稼ぐ。
この目的のために、500人の犠牲を出しながらも、
国家プロジェクトとして完成した路線です。
貴重な外貨なくして、日本の近代化はあり得ませんでした。
犠牲者の方々に脱帽です。

予防接種

2020年8月4日

私には3人の子供がいますが、赤ちゃんのときから悩まされたのが予防接種の種類の多さとそれぞれの接種時期でした。生まれて数か月後からBCG, DPT, ポリオ、 麻疹、風疹、日本脳炎、水ぼうそう、2種混合(ジフテリアと破傷風)などがあり、おまけに毎年流行が心配になるインフルエンザや、周囲で流行したら心配になるおたふくの予防接種も・・・。しかも日本脳炎や4種混合などは1回の接種では終わらず、1回、2回、3回、さらに追加接種も。最近は新型コロナのワクチンを待ちの望む毎日ですし、ワクチンの大切さを心から感じてはいるのですが、やはり親にとっては悩みの種でもある気がします。

保健所から送られてくる予診票にはそれぞれ何歳から何歳までの間に接種しなくてはいけないという接種時期が記されており、その間に接種すれば無料ですがそれを過ぎると有料になります。先週手元にある3人の日本脳炎の予診票(数枚)を見ているとそのうちの1枚に「平成32年8月6日まで」とあり、「・・・・!」。これは令和2年のことでは!と、あわててクリニックに電話して3人の予約を取りました。そのうち長女のものは期限切れ。接種料金(6500円)を支払うことに(泣)。

数年前も手元に郵送されてきた予診票(複数枚)を見ていると混乱し、保健所にいって「どれが本当に必要ですか?」と質問したり、クリニックに子供3人と余っている予診票を全部持って行って「注射できるものを全部お願いします。」とお願いしたりするという荒い対応をしてしまいましたが、今回の接種で、とりあえず3人の予診票はやっと残数ゼロに(1枚追加分が期限切れでしたがもう大丈夫とのこと)。「もう注射はないよね。」と喜ぶ娘に、「いや、きっと1年以内にコロナワクチンを接種することになると思うよ。」と希望を込めて言うのでした。(鍋)

今日の用語(ワクチンの名前)

■BCG(結核)ワクチン:BCGは20世紀初頭にワクチンを開発した2人のフランス人(カルメットとゲラン)の菌(Bacillus)からきているそうです。(Bacillus Calmette–Guérin)
英語: BCG vaccine
フランス語 : le vaccin BCG
スペイン語 : la vacuna BCG
ロシア語 Вакцина БЦЖ (против туберкулёза)
中国語:卡介苗

■B型肝炎ワクチン
英語:Hepatitis B vaccine
フランス語 : le vaccin contre l’hépatite B
スペイン語 : la vacuna contra la hepatitis B
ロシア語 Вакцина против гепатита B
中国語:乙型肝炎疫苗(略称:乙肝疫苗)

■Hibワクチン
英語: Haemophilus influenzae type B (Hib) vaccine
フランス語 : le vaccin Hib
スペイン語 : la vacuna contra el Haemophilus influenzae tipo b (hib)
ロシア語 Вакцина против гемофильной инфекции типа b (Hib)
中国語:b 型流感嗜血杆菌疫苗

■ポリオワクチン
(経口生ポリオワクチン(OPV)と不活化ポリオワクチン(IPV))
英語: Polio(poliomyelitis) vaccine
(Oral polio vaccine:OPV, Inactivated polio vaccine:IPV)
フランス語 : le vaccin contre la polio(myélite)
( Vaccin antipoliomyélitique oral:VPO, Vaccin antipoliomyélitique inactivé:VPI )
スペイン語 : la vacuna contra la poliomielitis(vacuna antipoliomielític)
(Vacuna oral contra la poliomielitis : OPV), Vacuna inactivada contra la poliomielitis : IPV)
ロシア語 Вакцина от полиомиелита
(Оральная полиомиелитная вакцина (ОПВ), инактивированная полиомиелитная вакцина (ИПВ))
中国語:脊髓灰质炎疫苗(略称:脊灰疫苗)
(口服脊髓灰质炎减毒活疫苗(略称:口服脊灰减毒活疫苗)、脊髓灰质炎灭活疫苗(略称:脊灰灭活疫苗))

■水ぼうそうワクチン
英語: Varicella (chickenpox) vaccine
フランス語 : le vaccin contre la varicelle
スペイン語 : la vacuna contra la varicela
ロシア語 Вакцина против ветряной оспы
中国語:水痘疫苗

■DPT(ジフテリア(D)、百日せき(P)、破傷風(T))ワクチン(三種混合)
(これに不活性化ポリオワクチン(IPV)が加わった四種混合ワクチン(DPT-IPV)も2012年11月から導入されています)
英語: DPT (diphtheria, pertussis (whooping cough), and tetanus) vaccine
フランス語 : le vaccin DTC(diphtérie-tétanos-coqueluche )
スペイン語 : la vacuna contra la difteria, el tétanos o la tos ferina(la vacuna Tdap)
ロシア語 Вакцина АКДС (адсорбированная коклюшно-дифтерийно-столбнячная вакцина)
中国語:百日咳-白喉-破伤风疫苗(略称:百白破疫苗)(*原文(DPT)と順番が違いますが、この順番の方が多く使われているようです。)

■麻疹・風疹ワクチン
英語: MR (measles and rubella) vaccine
フランス語 : le vaccin contre la rougeole
スペイン語 : la vacuna contra la rubéola
ロシア語 Вакцина MR (от кори и краснухи)
中国語:麻疹-风疹疫苗

母子手帳の予防接種ページ

テレワーク中の会議

2020年7月31日

緊急事態宣言が出た前後からフランシールでもテレワークを開始しました。東京都のテレワーク助成金も申請し、1人1台のノートパソコンが社員に支給されました。VPN接続もできて自宅の仕事も快適です。

フランシールでは月に一度の定例会議を近所にある明日館(重要文化財)の会議室をお借りして行っています。3月、4月はオンライン形式(ZOOM)で行わざるを得ませんでしたが、ここ数回は明日館の会議室へ3分の1、事務所に3分の1、自宅3分の1の割合でスタッフが参加して行っています。

はじめは会議室にプロジェクターを持ち込んで会議を行いました、しかし、プロジェクターのマイクとパソコンのマイクがハレーションを起こして中断(ホワン、ホワンという強烈な音が響きます)。なんとか直りましたが部屋を暗くする必要があり、せっかくつけた会議室の定点カメラにはほの暗い人影しか写りませんでした。

次の会議ではモニターを持ち込んで臨みました。会議室は明るくできるし自宅や事務所のスタッフもクリアに見えるので快適です。持ち込んだモニターが古いパソコンのモニターだったので小さすぎる、という難点を除いては。

やはり会議をいきいきとさせるなら会議室の人が話すときに大きく映るようカメラを切り替えがあったほうがいいように思います。そうすると誰かがカメラマンになるか自動で話者を感知するカメラが必要になります。あとはコストの問題。

オンライン会議はオンラインだけで行う場合は簡単ですが現実の会議と織り交ぜて行うときは工夫が必要だなと感じています。というわけでなるべくコストをかけずにもっと快適な会議ができるよう現在も試行錯誤中です。(鍋)

今日の用語
■テレワーク
英語: Telework
フランス語: Télétravail
スペイン語: Teletrabajo
ロシア語: Дистанционная (удалённая) работа

■VPN(Virtual Private Network)接続
英語:VPN connection
フランス語:Connexion VPN
スペイン語: Conexión VPN
ロシア語 VPN-соединение

*文章を作るポイント*
「テレワーク」はあまり動詞としては使われていないようです。(例文:私は昨日テレワークしました。)
英語: 英語で基本的に動詞の「telework」は使いません。「私は昨日テレワークしました。」の場合、「I worked remotely yesterday」か「I worked from home yesterday」になります。
フランス語: J’étais en télétravail hier.
スペイン語: Teletrabajé ayer.
ロシア語: Работа из дома; дистанционная работа; удалённая работа.
*При образовании глагола – «работать из дома»; «работать дистанционно», «работать удалённо». Например, «я вчера работал из дома»; «я вчера работал дистанционно», «я вчера работал удалённо».

ちょっと画面が小さすぎるかな。

 

オーライと往来

2020年7月29日

フランシールは一軒家で、隣と前には駐車場があります。
「オー!オー!」
と駐車場に入るトラックを誘導する声が窓から聞こえてきます。
「日本人はオーオーって言いますね。私の国では「OK, OK, STOP, STOP」です。
と、カナダ人のMさん。すると日本人Oさん。
「いえいえ、日本人も本当はオーライ、オーライって言ってるんですよ」。
真面目なMさんは早速インターネットで調べます。
「本当だー!「往来」って言ってるんだー。」
Oさんはすかさず修正。
「いえいえ、All right, All right の日本語なまりです!」

それにしても日本のトラックの中には「バックします。バックします」とまで言ってくれるものがあります。そんなトラック、他の国にもあるんでしょうか。また、「バックする」という表現自体も考えてみれば不思議です。でも「後ろに進みます。」「後退します。」もどうかなと思ってしまいます。やっぱりベストな日本語だったんでしょうか。
さてこのバックという言葉、気づけばあちこちで使われています。実は和製英語なものもあるので注意が必要です。

今日の言葉

■(車の)バックミラー
英語 Rearview mirror
フランス語 Rétroviseur
スペイン語 Retrovisor, espejo retrovisor
ロシア語 Зеркало заднего вида

■(車の)バックライト
英語 Tail lights
フランス語 Feux arrières
スペイン語 Focos traseros, luces traseras
ロシア語 Задние фонари

おまけ
■車の「バックします、バックします」と言ってくれる機能 ある? ない?あったらなんていう?
★カナダ:「話す」車が見たことがないです。ピーピーという音は出ます。
★オーストラリア:音だけ出ます。
★フランス :バックする車の音は「bip bip」。でもしゃべる車はみたことがないです。
★スペイン :バックするは「Dar marcha atrás」。でも音声機械は付いてないです。
★ロシア: “Осторожно, моя машина едет назад” (ご注意ください。私の車はバックします)と言う車もあります。
★スウェーデン:「ピーッピーッ」など警告音のバックブザーは使われていますが、音声機能つきの車は見たことないです。

 

フロントについているけれどバックミラー?

PCR検査と抗原検査と抗体検査

2020年7月27日

連日増える新型コロナウイルスの感染者数に驚きますが、PCR検査数も増えてきました。新宿区では新型コロナウイルス感染者への見舞金(10万円)も支払われるそうです。お見舞金をもらえるというのは検査を受ける動機になるかもしれませんが、いざ陽性になったときこのお見舞金をありがたく感じるか、あるいはそれどころではない恐怖心に襲われるか実際に陽性になってみないとわからない気がします。

ところでコロナウイルスの感染を調べる検査には抗原検査や抗体検査もあります。(報道されているのはほとんどがPCR検査で、東京都が毎日発表している陽性の患者数は2,3日前にPCR検査された結果のようです。)

抗原検査はPCR検査よりも早く30分くらいで結果がでるそうですが、精度が低いようで、陰性になっても症状がある場合はやはりPCR検査をしないとわからないようです。抗体検査は過去に新型コロナにかかっていたかどうかがわかる検査のようです(PCR検査や抗原検査は今感染しているかどうかを調べる検査)。抗体と抗原は名前が似てますが英語でもAntiがついています。元は英語からの翻訳でしょうか。(鍋)

今日の用語

■PCR検査
英語 PCR test
フランス語 Test PCR
スペイン語 Prueba PCR
ロシア語 ПЦР-тест

■抗原検査
英語 Antigen test
フランス語 Test antigénique/Test antigène
スペイン語 Prueba de antígenos
ロシア語 Тест на антигены

■抗体検査
英語 Antibody test
フランス語 Test sérologique
スペイン語 Prueba de anticuerpos
ロシア語 Тест на антитела

 

フランシールでは、新型コロナウイルスワクチン接種証明書の翻訳も行っております。詳しくはこちら<お知らせ>ワクチン接種記録の法定翻訳についてをご覧ください。

エピセンター

2020年7月22日

再びコロナの話題です。
先日ニュースを見ていたら東京のエピセンター化という問題が国会で取り上げられていました。エピ・・え?脱毛とかのエピ?と思ってしまったのは私だけでしょうか。
フランス語でépi は「穂、毛」です。(épilation は脱毛ですが、最近日本ではエピという脱毛器もあるようで私にはこのイメージが強かったせいかもしれません)
改めて辞書で見るとこの「epi-」はもとはギリシャ語で「上、外、終わり、付帯」を表すそうです。エピセンターとは中央地のこと。国会で話した教授は「東京型」「埼玉型」などのウイルスの型が発生しているかもしれないことを警告したものでした。

ちなみにエピセンターという言葉、一般的には地震の震源地だそうです(震源地という意味でも一般的には使われているようですが細かい言い方をすると震源はhypocenterでその真上がepicenter だそうです)。

■今日の表現 「東京の(感染症の)エピセンター化」
英語 Tokyo: the epicenter of the coronavirus outbreak in Japan.
フランス語 Tokyo : l’épicentre de la propagation du coronavirus au Japon
スペイン語 Tokio: el epicentro del coronavirus en Japón..
ロシア語 Токио становится эпицентром пандемии

フランシール代表 鍋田

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