S.K. 社内フランス語通訳インタビュー
プロフィール
1967年生まれ。獨協大学 外国語学部フランス語学科中退。ボルドー第2大学人文科学部社会学科に留学。1996年からアルジェリアの石油化学プラント建設案件で国内、アルジェリアで通訳。翻訳・アドミを経験。1998年以降は主にJICAの通訳としてコンサルタントと
アフリカへ同行。中央アフリカ、モロッコ、ギニア、モーリタニア、マダガスカルなどアフリカの仏語圏向け案件の通訳・翻訳に携わる。現在は社内の翻訳コーディネータに従事しつつ、自ら翻訳や通訳も
行っており、新人への通訳・翻訳業務の研修も行っている。
入社したきっかけ・理由を教えてください。
以前は長野県でフリーランスのフランス語登録通訳として活動していましたが、2019年7月に東京へ移り、これを機に社内勤務を始めました。代表の伊藤さんとは、彼女が以前勤めていた会社で同僚だったご縁があります。
以前は登録通訳だったんですね。どのような案件を担当されたのですか?
フランシールで初めてフランス語通訳を担当したのは、ギニアの農業案件でした。具体的には、中部高地ギニアの地方都市マムーを拠点とした『中部高地ギニアマスタープラン策定調査』というプロジェクトです。 ギニアは大きく『海岸ギニア』『森林ギニア』『中部高地ギニア』に分かれており、今回の調査では、その広大な中部高地ギニアを対象としました。JICAの無償資金協力調査は短期間で成果を求められることが多いですが、農業の開発調査は長期間にわたり現地で調査が行われます。 私自身、以前から農業調査に携わっており、モーリタニアの農業案件を2件担当したほか、ギニアの後にはブルキナファソでも農業案件の通訳として現地を往復しました。特にギニアでは、地方都市での生活を経験できたことが印象深く、貴重な体験となりました。
農業案件について難しいところはどこでしょうか。
農業の通訳では、専門用語を知らなければ正確に伝えることができません。幸い、家族に農業の専門家がいたことや、自宅でも農業をしていたことから、農業用語には自然と親しみがありました。 通訳には、栽培のサイクルや品種ごとの育て方の違い、年間の収穫回数、単位収量、肥料の種類など、幅広い知識が求められます。例えば稲作の場合、コメには水稲と陸稲の2種類があります。日本では稲作といえば水稲が一般的ですが、アフリカでは陸稲の栽培も多いため、その違いを理解しておく必要があります。また、農業分野では水の管理が重要です。『灌漑』では適切に水を流すことが求められますが、土地に傾斜がないと水が流れません。そのため、水路の掘り方についても調査を行いました。実際に現地の農民とともに、水を入れたビニールホースを使って掘削深さを測りながら水路を掘り、流れを確認しました。水路が正しく掘られていないと、水がうまく流れないため、慎重に作業を進める必要がありました。
農業以外の分野の通訳も経験されていますよね。どういった分野に過去携わっていらっしゃいますか?
JICAの無償資金協力案件では、学校の建設や橋梁の建設といったプロジェクトが挙げられます。農業も好きですが、特に橋梁などの土木分野には強い関心があります。ラーメン構造やトラス橋、RC(鉄筋コンクリート)、PC(プレストレスコンクリート)といった技術系の話題には特に興味を持っています。 これまでに、ジブチ沿岸警備隊の機械研修の通訳や、道路整備機材の研修通訳なども担当しましたが、どれも非常に楽しい経験でした。もともと機械が好きなので、こうした技術関連の案件に関わる機会があるのは嬉しいですね。
どうして機械ものが好きになったのですか?
子どもの頃からテレビやラジオを分解するのが好きでした。今もさまざまな機械を修理したり、集めたりしています。電子部品を取り外して交換することもありますし、DIYも趣味のひとつです。仕事部屋の離れに屋根を作ったり、ウッドデッキを自作したりしたこともあります。さらに、革製品の加工も楽しんでいて、ものづくり全般に魅力を感じています。 最初の通訳の仕事も、父の知り合いの紹介で始まりました。フランスから道路機能維持管理用の機材を試験的に輸入する際の通訳を担当したのが、通訳のキャリアのスタートでした。
フランスに長く留学されていましたね。何年間フランスに住んでいたのですか?
日本の大学を中退した後、バカロレアの予備登録試験を受け、フランスの大学の社会学部に進学しました。そのままフランスで学び続け、ポーとボルドーで7年間過ごしました。
その後、どのようにフランス語の通訳を始めたのですか?
帰国後、IHI(当時の石川島播磨重工業株式会社)のアルジェリアプロジェクトでフランス語通訳兼アドミ(管理業務)として応募しました。1995年に豊洲の事務所で派遣スタッフとして半年間勤務し、その後1年半、アルジェリアのアルズーに赴任しました。そこで、液化石油ガスプラントの建設現場に関わりました。 プロジェクト完了後は、JICAの仕事を担当するようになり、本格的に通訳としてのキャリアを歩み始めました。
平日の1日のスケジュールを教えて下さい。
通訳として国内外への出張もありますが、社内にいるときは他のコーディネータと協力しながら、翻訳の見積もり作成や校正、編集などを行っています。 また、急な通訳依頼の電話が入り、午後から急遽出向くこともあります。翻訳業務では、自分で翻訳するだけでなく、お客様との打ち合わせに同行したり、新しいスタッフに翻訳の指導をしたりすることもあります。
応募や入社を検討している方へメッセージ
専門家の多くは、自分の専門分野を海外で活かすために語学を使いますが、通訳は特定の専門分野を持たず、幅広い分野を浅く広く学び続ける仕事です。 この仕事の醍醐味は、予想もしなかった体験ができること。砂漠での業務や船上での訓練など、日常では味わえない経験が待っています。通訳の現場は「次は何をする?」と先が読めないことも多く、「どうしてこんなことをするんだろう?」と思うこともありますが、それを面白いと感じられる人には、ぜひ挑戦してほしい仕事です。普通では得られない貴重な経験ができますよ。
そのためには普段何を勉強したらいいですか?
それぞれ得意分野はあると思いますが、特に技術分野の知識は通訳に役立つと思います。社会学の勉強から電気、建築、農業、医療などあらゆる勉強が糧となります。さまざまなことに関心を持てる人にはきっと楽しいお仕事だと思いますよ。



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