先日のジブチに続き、そのお隣の国、エチオピアについてフランス語通訳の橋爪さんより写真と記事が届きました。318万年前の人間の身長はみな110㎝くらいしかなかったんでしょうか。その中でも「あの人の方が背が高い」「太っちゃった・・」とか意識しあっていたのかも?皆さんも読みながら是非色々想像してみてください。
今回は、エチオピアの国立博物館を送ります。
1974年の化石人骨ルーシー(Lucy)の発見は、全世界を驚かせる出来事でした。
発掘されたルーシーの本物の骨が、首都アディスアベバの国立博物館に所蔵・展示されています。
ジブチへ仕事に行くたびに、途中乗換えでエチオピアの首都アディスアベバに立ち寄り、一泊することがしばしばでした。
その一泊を利用して、国立博物館を訪ねたわけです。
上の写真は頭の方から見たルーシーです。
エチオピアのアファール盆地のアワッシュ川下流域で発見されたのでアファール猿人と名付けられました。
学名の方は「アウストラロピテクス アファレンシス」318万年前の化石人骨です。
身長110cmと云われています。
(1980年 このアワッシュ川下流域はユネスコの世界遺産に登録されました。)
私たちの学生時代、昭和40年代ですが、大学の一般教養で人類学を学ぶと人類の最初の祖先として「アウストラロピテクス」が出てきていました。
チンパンジーからヒトが分岐した時期を350万年ぐらい前に設定していました。
このルーシーが発見された時、まるで「人類の母」として喧伝されました。
が、これから20年後、やはりアファール盆地のアワッシュ川中流域で、「ラミダス猿人」が発見されました。
この方は、440万年前であることがわかり、またその後同じくアファール盆地の中流域で、「カダッパ猿人」の発見が続きました。
この方は580万年から520万年前と云われていて、ルーシーをはるかにしのぐ化石人骨となりました。
その後、2001年、チャド共和国北東部で、サヘラントロプス(トゥーマイ猿人)が発見され、また一段と大きく時代が遡り、およそ700万年前と云うことになりました。
そいうわけで、現代の学校の教科書などでは、このトゥーマイ猿人700万年前をヒトとチンパンジーの分岐点としています。
歴史は塗り替えられてきましたが、このルーシーの発見は、全身の40%の骨が発見されたということで、これほどのまとまった骨を見出すのはほぼまれであり、
また直立二足歩行の痕跡がはっきりと見てとれ、私たち現代人の直接祖先ではないが、人類史の中で貴重な資料となっています。
上の写真は足元の方から見たものです。
↑ 横から撮ったものです。
エチオピア現地語の「Dinkenesh」(ディンキネッシュ)という名称も与えられています。
説明によると「貴女は驚異的だ」という意味だそうです。
110cmの複製ルーシーと一緒に写真に撮りました。
エチオピア高地へ向かっていく前の盆地がアファール盆地です。
ルーシー、ラミダス猿人、カダッパ猿人はこの地で発見されました。
ルーシーが発見されたアワッシュ川下流域です。
前回、ジブチのアッサル湖を書きましたが、アッサル湖からこのアワッシュ川下流域まで直線距離で370kmです。
700万年前から、人類はいろいろな猿人に姿を変え、進化し、滅亡し、また進化し滅亡して、20万年まえから30万年前にようやく現生人類の直接先祖となるホモサピエンスに到達しました。
ホモサピエンスの頭蓋骨(エチオピア国立博物館蔵・展示)
このホモサピエンスが世界各地に拡散し、現代の私たちになっています。
橋爪 雅彦
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