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<めじろ奇譚>足止めされる日本への留学生

2021年11月16日

入国緩和~留学生の大多数が往来できないのは、G7の中で日本のみ~

11月8日に入国禁止対策が緩和されるとの発表がありましたが、実際には大多数の留学生が来日できないのが現実です。
学生ビザを申請するためには、まずは在留資格認定証明書(CoE)が必要です。
さらに、在留資格認定証明書の発行日によって、来日申請を出せる期間が決まっています。
外務省のウェブサイトに下記の通り記載されています。

○ 令和3年11月の承認申請対象【~令和2年4月期生】 →2020年1月1日から2020年3月31日まで
○ 令和3年12月の承認申請対象【~令和2年9,10月期生】 →2020年1月1日から2020年9月30日まで
○ 令和4年1月の承認申請対象 【~令和3年4月期生】 →2020年1月1日から2021年3月31日
○ 令和4年2月以降の承認申請対象は、実施状況を踏まえて決定します。

ツイッターで行われた調査によると、2021年の11月・12月に来日申請できる留学生は全体のうちたった14%です。そして、申請を出してから審査時間・その他の手続きも非常に時間がかかります。現時点で申請しても2021年の年末までの来日は困難です。

(上)Students, workers, spouses stranded outside Japanというツイッターのグループが行った調査

出入国在留管理庁によると、2019年上半期の留学生数と比べ、2021年上半期に入国できた留学生数は10%にまで減りました。

(上)来日できず海外で待機している留学生たち

PCR検査・ワクチン接種済み・隔離期間についても同意しているにも関わらず、入国禁止の状況が続いています。オンラインで授業を受けている多くの留学生が、時差のため夜中に授業を受けたり、生活のリズムが乱れたりしているのが現状です。

留学生が来日できないことによって、人手不足という問題を抱えている日本にも悪影響がでる可能性があります。

さらには日本に対する信頼が損なわれる恐れもあります。(ダミアン)

 

<めざせ語学マスター>チャンクとは?

2021年11月3日

再び先日の日本語教育能力検定試験の内容について。

試験Iの問題10には認知心理学の「維持リハーサル」やワーキングメモリが出てきました。
ちょうど試験前の「記憶とは?」で書いたばかりなので「きたきた!」と思いましたがその次の「かつて言語教育ではチャンクが否定的に捉えられてきたこともあったが、近年はその役割が見直され、チャンクの使用の効果が確認されている。」という表現に「え!チャンク?」と驚きました。

最近仕事でも「チャンク」という言葉をよく使っています。チャンクは、AI用の同時通訳コーパス作成時にも「訳すときの意味の塊」として使われています。その「チャンク」という言葉を日本語教育能力試験でも見るなんて驚きでした。

ではチャンクとはどういうものなんでしょうか。

チャンクに関する古い論文は、1956年のアメリカの認知心理学者、ジョージ・ミラー(1920-2012)の論文「マジカルナンバー 7±2」(1956)です。彼は、人間の短期記憶、ワーキング・メモリーには、処理容量の限界があり、一時的な記憶で処理できるのは7要素くらい(7±2)だとしました。

しかし、この7個というのは、7数字や7文字、といった単純な単位ではなく、7つの意味の塊(チャンク)に対しても機能します。

例えば、FBICIAUSAという言葉。
皆さんは一度見てすぐに思い出して書くことができますか?

私は電話番号もすべて語呂合わせで覚えるほど、綴りや数字を覚えるのが苦手なので、こういう問題にはとても抵抗を感じてしまいます。でも、実はこれを3つに分けると意外と簡単に記憶出来ることがわかりました。
FBI / CIA / USA
そうです、それぞれアメリカの連邦捜査局(FBI)、中央情報局(CIA)、アメリカ合衆国(USA) です。
このように、意味の塊(チャンク)に分けてワーキングメモリーを効率よく使うことができれば、人間は長い単語、つづりや数字といった情報を、少ない負荷で記憶することができます。

以前の「記憶とは?」のブログにある、ワーキングメモリー(記憶の短期貯蔵庫)の保持時間は15~30秒です。短期貯蔵庫はすぐに処理しないと忘れてしまう記憶の一時貯蔵庫です。しかし、もし長期保存庫に多くの知識(語彙、文法、イディオム、表現、文)が予め入っていればワーキングメモリーで処理できるチャンクの量や長さも増えてくるはずです。

同時通訳が通訳する際、発話を、ある程度の塊に訳しながら通訳していきます。その時の発話の塊がチャンクです。同時通訳は逐次通訳と違って、文章を最後まで聞いてから再現するのではなく、聞きながら訳すという特殊な方法で訳していくので、分け方も1文ずつなどではなく、文節や名詞句、動詞句など、かなり短いスパンで訳していくことになります。また、チャンクによる記憶方法をAIを使ってデータ処理した同時通訳に活用する研究もおこなわれています。

以前から、同時通訳の訓練の一つには「スラッシュリーディング」や「チャンクリーディング」がありました。スラッシュリーディングとは、英語を英語の語順のままで読んでいくための読解方法です。通訳のためだけではなく、英語の速読の方法としても用いられることがあります。チャンクリーディングの場合はスラッシュだけでなく、改行までしてよりはっきりと意味の塊を表示させることもあるようです。

通常、日本語から英語に訳そうとすると、語順の違いから(日本語はSOV、英語はSVO)、日本語の最後に出てくる述語を英語の主語の次に持ってくるなど、語順がひっくり返りますが、通訳、特に同時通訳の場合は、最後まで待っている余裕がありません。そこで、情報を出て来た順に理解して、ある単位の塊ごとに訳していく必要があります。同時通訳の学校ではこの方法を基礎訓練として勉強することがあります。通訳の場合は音声の処理なので、実際にはスラッシュ・リーディングからはじめて、少しずつ音声へ移行して、スラッシュ・リスニングの訓練をします。(私自身は逐次通訳の経験しかないので、同時通訳の訓練は憧れるばかりなのですが・・・)。

通訳にならなくても、記憶の訓練や速読のために、スラッシュ・リーディングはおすすめです。スラッシュの入れ方に厳格な規則はありませんが、SVC, SVO, SVOO, SVOCなどの文型の区切り、現在分詞や過去分詞の前、不定詞句の前、長い名詞句の後、接続詞や関係代名詞・関係副詞、疑問詞の前、カンマ、セミコロン(;)、コロン(:)、ダッシュ(―)の後、前置詞の前などが多いようです。意味の塊で区切る、というだけで厳しい縛りはありませんが、これ以上区切ったら意味の塊が壊れるという区切り方(The /White / House /summary…)は通常しません。

さて、試験問題の選択肢(「チャンクの使用の効果」)は、そんなチャンクの知識があっても選ぶのは難しかったです。他の選択肢も紛らわしく感じましたが、とりあえず「注意を払わなくても言語処理が進み、発話の流暢さが増す。」を選びました。でも、正直あまり自信はなかったです。「チャンクを使ったら流暢に話せる・・・?」そうかな?と悩んでしまいました。

チャンクが生かせるのは、長期記憶庫に予めたくさんの知識がある場合だと思います。また、どんなに2か国語がペラペラでも、発話の内容を理解できなければ流暢には話せませんし、あまりチャンクにこだわると「どこでチャンクを区切ったらいいの?」という別の問題を抱えることになりそうです。(鍋)

<めじろ奇譚>言語は言語でもプログラミング言語とは①

2021年8月5日

みなさん、こんにちは。フランシールに所属するフランス語の通訳、翻訳をしている芹澤と申します。

私の業務は、お客様の意図している文章や話そうとしている言葉を、世界で使われている様々な言葉のある一つのものからもう一つのものに置き換える(すなわち翻訳)か、言い換える(通訳)する事になります。

そして私自身は、ODA(日本の開発援助)のお仕事を頂いて、アフリカのフランス語圏の国々に行って調査団の通訳をしたり、関連する翻訳をさせて頂いたりが主たる業務です。

日本語や英語で書かれた書類をフランス語にしたり、フランス語で口頭で話されている内容を日本語に置き換えて話す、等が仕事、という事になります。

それ以外にも、パソコンを組み立てたり、色々な機械を分解して、壊れた2台のゲーム機から動く1台を再生したりする事などを趣味としているので、パソコンサポート的な事もしております。

そんなわけで今回は言語のお話ですが、プログラミング(プログラム)言語についてのお話をさせて頂きます。

世界には3000から5000もの言語があるといわれています。そんなにあるとは思っておらず、実は今ネットで検索して出てきた数字です。すごい数あるものですね。

今はコロナ禍ということもあり、海外からの観光客もほとんど日本にいらっしゃらないですが、今や街を歩けば外国語を話す方はすぐそばにいらっしゃるわけで、色々な言葉を見聞きすることも身近になっている訳です。

ところで、私たちが話したり聞いたり、書いたり読んだりする言語以外にも言語と呼ばれるものが存在します。プログラミング(プログラム)言語と言われるものです。

私たちは余り意識せずに毎日暮らしていますが、じつは私たちのまわりにはプログラム言語で出来たものであふれかえっています。

パソコンやスマートフォン(スマホ)は私たちの生活に今や欠かせない道具としてひとり一台、あるいはそれ以上の数持ち歩いたり、自宅やオフィスでそれを使って毎日仕事や生活をしています。

私たちが何気なく使っているパソコンやスマホは機械として様々な部品で出来ていますが、目に見える部品だけでなく、様々なプログラムという目に見えない部品からも出来ています。

スマホも電話を掛けられるコンピュータな訳ですが、コンピュータは機械語とかマシン語と呼ばれる、頭脳であるプロセッサという部品が直接理解出来て、実行出来る一連の命令で動いています。
スマホに入れているラインやスカイプ、パソコンで毎日使っているワードやエクセルといった様々なソフトウェアやアプリもそうですが、OS、いわゆるオペレーティングシステムと言われる、パソコンやスマホを動かしている、おおもとになるシステムもプログラムです。

パソコンの自作をされた事がある方はお分かりでしょうが、パソコンの部品を組み立てて電源スイッチを入れてもそれだけでは何も動きません。

オペレーティングシステム(OS)が入っていないからです。パソコンを組み立てて、OSをインストールして初めて私たちが使えるパソコンになるわけです。

スマホも同じです。何も入っていないスマホは、電源ボタンを押してもうんともすんとも言いませんし、何も起こりません。プログラムが何も入っていないからです。

ただ、スマホの場合には、私たちが手に取ってみる時にはすでにOSが入っていて、電源ボタンを押せばOSが立ち上がる様になっているので、私たちは気が付かないのです。

さて、iPhoneであれアンドロイドであれスマホの画面にはアイコンが表示されていて、それをタップしてアプリを起動させます。パソコンにもウインドウズやマック、リナックスといったOSがあります。そしてデスクトップにはアイコンが表示され、それをクリックする事でプログラムを実行させているのです。

私たちは絵(アイコンですが)を指先で軽くたたいたり(タップ)、マウスでカーソルを動かして絵のところに持って行ってボタンを二回たたいたり(ダブルクリック)しているだけですが、パソコンやスマホの中では、その絵(アイコン)が示しているプログラムを実行せよ、という命令が実行されているのです。

ところで、翻訳という言葉は英語にするとTranslationと言いますが、通訳はInterpretationと言います。このInterpretationという言葉は通訳する、という意味以外にも解釈する、とか判断する、という意味があります。

言語という繋がりで見ると、スマホやパソコンはアイコンをタップしたり、クリックしたりする行為をInterpretation解釈、通訳してプロセッサに伝えている訳です。

そう考えると、プログラミング(プログラム)言語というのは人間とコンピュータという、そのままでは通じ合えないものどうしをつなぐ言葉なわけです。確かに言語です。誰が言語と呼び出したのか、と感心していまいます。

話をちょっと変えて、これを言うと年がばれてしまいますが、パソコンやスマホどころか、昔はテレビ、と言えばスイッチを入れて(つまみを引っ張って付けるのが多かったです)、その前にかしこまって、眺めるものでした。お茶の間にあって一家総出で拝見させて頂くものでした。それを使って遊ぶなんて想像すらできませんでした。

テレビゲームと呼ばれるものが出てきたのは私が小学生の頃でした。インベーダーゲームが大流行したものでした。喫茶店やゲームセンターに行って、貴重なお小遣いの中から100円玉を投入して、ゲームをしました。家でやるなんて代物ではありませんでした。

私がそんなものに興味を持ったころ、原始的な家庭用テレビゲーム機やマイコンといったものが世の中に出てきました。

最初期に発売されたNECのTK80、という機械は、何で知ったのか覚えていませんが、電子部品の塊で、なんだかすごく憧れました。自分ではんだ付けしたりしないといけないですし、今のパソコンのようなアルファベットのキーボードがあるわけでは無く、電卓の様なキーボードでマシン語のプログラムを入力するもので、算数も数学もとても苦手な身にはとてもでは無く手が出せませんでした。だいいち、値段が高すぎて夢に見るようなものでした。

それからしばらくたって池袋のパルコにあった三省堂書店にキーボードのついたパソコンが置かれていたのを覚えています。七色のリンゴのマークがついていました。今思えばあれはアップルIIでした。マッキントッシュの先祖になるアップルが世界中に知られることになったパソコンでした。当然お値段も高すぎてとてもではありませんが手の届くものではありませんでした。

その後ファミコンなんかが出てきました。
いろんな会社からゲームが出来たり、プログラムが出来たり、というパソコンと呼ばれるものも出てきました。
そんなとき、それらの初期のパソコンの中から割と安く手に入るMSXというのを手に入れました。これはテレビにつないで使うもので、そのころのファミコンと同様にアンテナのところに接続しテレビでNHKの総合放送が映る1チャンネルのとなりの2チャンネルにして写して使いました。

MSXはファミコンの様にカートリッジ(ゲームカセット)を差し込むとゲームが出来ます。市販のゲームを遊ぶときはカセットを刺してから電源ボタンを押すとゲームが始まります。何も刺さずに電源を入れるとベーシックというのが立ち上がります。
ベーシックは初心者も扱いやすい、と言われたプログラム言語になります。
ただし、電源を入れて立ち上がったベーシックはコマンドを打つとかプログラムを保存していたカセットテープから読み込むとかしないと、何もしてくれません。

当時MSXの雑誌もほかのパソコンの雑誌も発行されていました。ゲームの情報なんかが載っていたりするので私は毎月MSXの雑誌を購読していましたが、そこには巻末に毎月ゲームのプログラムが掲載されていたりしました。読者が応募して選ばれたゲームだったりするのですが、確かベーシックのプログラムもマシン語のプログラムも掲載されていたと思います。

マシン語は16進数の数字の羅列で、とてもじゃないけど、間違わないで打ち込むなんてことは天地がひっくり返っても出来るとは思えません。なのでそれよりはとっつきやすいと思われた、ベーシックで書かれたゲームのプログラムなんかを打ち込んでカセットテープに保存して遊んだりしていました。私のMSXにはカセットテープ以外に保存出来る方法がありませんでした。そうでないと、あんなに苦労して時間を掛けて打ち込んだプログラムは電源を切ると消えてしまったのです。

そうして苦労してプログラムを打ち込みます。

でも、どこかに打ち間違いがあると動かないのです。ゲームが始まりません。ゲームといってもインベーダーゲームを簡単にしたような奴とか、ボール(玉)が動くだけ、とかなんですけど、どこかで打ち間違っているのです。

SyntaxErrorという表示を何回見たことでしょうか。そして、ため息をつきながら間違っている場所を探しては直していくのです。

これをデバッグと呼ぶようですが、当時そんな用語なんか知る由もなく、ここだ、あった、なんていいながら直してはカセットテープに保存していました。何日もかかっても一向に動いてくれない、なんてこともしばしばでした。結局動かないままあきらめたことも何度もありました。

と、どうでもよい個人的な思い出になってしまいました。

そういえば、翻訳や通訳も同じです。ちょっと言葉を間違える、言葉の順番を間違える、それだけで文章の意味は変わります。

思い出話は置いておいて、現在に置き換えてみます。最近弊社も音声関連のお仕事なんかをやらせて頂いています。そんな中、私たちもプログラム言語について色々勉強をしたりする機会がどんどん増えているのです。

今回のタイトルのプログラミング言語から思い出話になってしまったわけですが、今のパソコンもスマホも基本的な仕組みは昔のものと変わっていません。
プロセッサが命令を処理する事で動くわけですが、私たちの目に触れる中では一番基礎の部分になるオペレーティングシステムも私なんかからすれば膨大なプログラムの塊をプロセッサが処理することで動いているのです。そして、様々なアプリはOSの上で動くわけです。
プロセッサ自身は機械語(マシン語)による命令で動くわけですが、わたしたちにはマシン語は難しすぎます。ですからプログラム言語を使ってプログラムを書いて、それがマシン語に置き換えられ、すなわちInterpretationされてパソコンやスマホは動いている訳です。そう考えると私の仕事である、翻訳や通訳の世界と良く似ている気がします。
でも、正直全然違う気もします。

フランス語通訳、翻訳 芹澤 紀青

 

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