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<めじろ奇譚>LGBTの権利・フランスと日本の比較

2021年10月21日

フランス

国際レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランス、インターセックス協会(ILGA)によると、LGBTの権利ランキングでは、ヨーロッパの中でフランスが13位となっています。世界規模で考えると、寛大な国だと思われていますが、実際にはEUやG7の平均に近いです。

18世紀前までは、宗教の影響によって法律上、同性同士の性的関係が罰せられていました。但し、「同性愛」という概念がなかったため、「同性愛」という考え方自体は罰せられておらず、こっそりと恋愛関係になっている人もいました。同性愛者の性的関係はフランス革命まで犯罪とみなされており、死刑が科せられることもありました。(*最後の死刑の例は1750年。)

フランス1791年刑法典が定められたことによって、罪ではなくなりましたがLGBTの権利はその後約160年停滞しました。

第二次世界大戦中、同性愛者は迫害され、性行為同意年齢についても1982年まで異性間カップル(18歳)と同性間カップル(21歳)の間で年齢が異なっていました。
※1982年には同性間カップルも、異性間カップル同様、21歳から18歳に下がりました。

そして、1999年に民事連帯契約(パックス、Pacte Civil de Solidarité)が成立し、2013年には同性婚が認められることになりました。

フランスでの同性婚に対する反対デモ

 

日本

日本はフランスと違って、LGBTを差別の対象にする宗教的な文化がありませんが、LGBTに対する認識はまだ少ないようです。

11世紀の源氏物語のような古典や、北斎・歌川広重の浮世絵にも同性愛者の描写がありました。

また、同性愛は侍の社会階級の中でも珍しいことではありませんでした。

しかし明治時代には、欧米の影響により、同性間の性的関係が1873年から1880年において禁じられていたこともありました(鶏姦律条例)。

以降、日本でのLGBTの権利は少しずつ認められつつありますが、他の先進国と比べたらまだ遅れています。

ただ、進歩がないというわけでもありません。自治体によりますが、パートナー証明書の制度も出来ましたし、東京都や千葉県ではLGBTに対策する差別を禁じる条例も施行されました。

読売新聞が2020年に国内で行った調査によると、同性婚に賛成している国民の割合は61%を占めます。それにも関わらず、G7の中で同性婚がまだ認められていないのは日本だけです。

源氏物語の絵巻・11世紀

結論

フランスは日本より法律の面では進んでいますが、LGBTの人がいけない場所があるなど、治安の問題があります。

日本はフランスと違って治安は良いですが、法律の進歩がまだ遅れています。そのため、例えば、同性間カップルでは家を借りることが難しかったり、外国人の配偶者のためのビザが取得できなかったりします。

フランスでも日本でも今後LGBTの権利がもっと改善されることが期待されます。(ダミアン)

<めじろ忌憚>フランスのコロナ状況と対策

2021年8月12日

フランスの感染者数は2021年6月時点で約570万人を超えており、世界で4番目の規模となっている国です。

2020年1月にフランスで初めて新型コロナウイルスの感染が確認されました。
2020年3月にマクロン大統領は、生活必需品の取り扱い店舗以外の休業を発表しました。
学校も休むことになり、テレワークも促された一方、入国禁止およびロックダウンの対策も実施されました。
そしてマスクが圧倒的に不足しており、輸入するなど、行き渡るのに数ヶ月間かかりました。
マスクの必要性については、専門家の意見も分かれていましたが、結局はマスクを付けないと罰金を課せられる条例が実施されました。
尚、医療関係者以外には、老人ホームの訪問も立ち入り禁止になりました。

2020年3月にマクロン大統領がテレビで発言しました。
https://www.europe1.fr/politique/confinement-report-des-municipales-ce-quil-faut-retenir-de-lallocution-de-macron-3955798

2020年の夏から、コロナの状況が一旦落ち着いてきましたが、秋になると再び状況が厳しくなり、ロックダウンが改めて実施されることとなりました。
第一ロックダウンと違い、第二次ロックダウンでは学校は休校にはなりませんでした。
2021年の2月には第三次ロックダウンが実施されましたが、今回は、コロナの状況によって各地方自治体による条例は様々でした。例えば、ある地方では住民票に記載されている住所から10キロ以上離れるような移動は禁じるという対策もありました。(テレワークが不可能な場合を除く)
ワクチン接種への取り組みは他国より遅いと様々なメディアから厳しく批判されていましたが2021年6月時点でワクチン接種済みの人数は3200万人を超えており(1回目)、一日あたりの感染者数は2000人以下になりました。

フランスの大規模接種センター
https://www.france24.com/fr/france/20210402-covid-19-le-vaccinodrome-des-yvelines-maillot-jaune-de-la-vaccination-en-france

昔様々な出来事を乗り越えたフランスという国は、今回もコロナ問題を乗り越えるだろうと思えますが、これからも取り組む必要がある課題は他にもたくさん残るでしょう。
例えば、多くの専門家が第4波について懸念しています。拡大を抑えるためには、2回目のワクチン接種率が80%以上を達成する必要性も改めて強調しました。(ダミアン)

 

<めじろ奇譚>ピエ・ノワールとフランス語の辞書

2021年7月29日

弊社にて力を入れている言語のひとつがフランス語で、フランス語圏アフリカの国際協力案件の翻訳や通訳派遣等のご依頼を多く頂戴しております。今回、「フランス語とアフリカ」についてのご紹介として受け取ったバトンのテーマは「ピエ・ノワール」です。

「ピエ・ノワール(pied-noir)」とは、直訳すると「黒い足」で、特に人の出自の言及に用いられる言葉とされています。広義ではフランス領北アフリカからの引揚者を指し、主にアルジェリア出身のフランス人を意味しているようですが、厳密な対象に関しては多くの議論が行われているそうです。

この言葉の起源は諸説あり、アルジェリアに上陸したフランス軍の靴が黒かったという説が由来として広く理解されているそうです。しかし、先住民はフランス軍や入植者を示す独自の言葉を持ち、フランス語の言葉をあえて使う必要がない点から、この説を否定する研究者もいるため、起源は定かではないようです。他にも、ワイン醸造の葡萄を踏む過程で黒く染まった足の象徴だとする説や、アメリカのネイティブアメリカン「ブラックフィート」の名をとり若者が自ら使用したという説もあるそうです。

ピエ・ノワールの著名人といえば、コロナ禍で注目を浴びた小説「ペスト」の作者アルベール・カミュ(Albert Camus)や、世界的デザイナーのイヴ・サン=ローラン(Yves Saint-Laurent)は日本でも有名です。

翻訳と関連し、特に注目したのがポール・ロベール(Paul Robert)という人物です。フランス語の二大辞書といえば、ラルース(Larousse)とロベール(Robert)ですが、後者を編み出したのがまさにこの辞書学者なのです。
ポール・ロベールは1910年にアルジェリアのオルレアンヴィルで生まれ、高校と大学の学部時代をアルジェで過ごし、1934年からパリで法学を修めます。戦争の勃発により兵士として動員された経験もあります。1945年に博士号を取得しますが、博士論文執筆時に納得のいくフランス語の辞書がないことから、新しい辞書の制作を志します。1952年出版の最初の分冊がアカデミー・フランセーズから表彰を受け、その後は1964年に大辞典『グラン・ロベール』、1967年には小辞典『プチ・ロベール』が完成、フランス語辞書として台頭し現在に至ります。

私どもが日々参照する辞書にもピエ・ノワールが関連しているというご紹介でした。
フランス語の翻訳や通訳等に関してもぜひお気軽にお問い合わせください。
(フランス語担当)

【参考文献】
・大嶋えり子, 世界引揚者列伝Vol.1 ピエ・ノワール列伝 人物で知るフランス領北アフリカの引揚者たちの歴史, 合同会社パブリブ, 2018.
・足立綾, ラパトリエとピエ・ノワール ―<アルジェリアのフランス人>の仏本国への「帰還」―, 『文化人類学』80/4 2016, p.569-591.
(online), https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjcanth/80/4/80_569/_pdf/-char/ja, (参照2021-06-30)
・Wikipedia, https://fr.wikipedia.org/wiki/Pieds-noirs#D%C3%A9finitions_de_%C2%AB_pied-noir_%C2%BB, (閲覧日2021-06-30),
・Wikipedia, https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%82%A8%E3%83%BB%E3%83%8E%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%AB, (閲覧日2021-06-30),

<めじろ奇譚> スペインの新型コロナウィルス感染状況と予防対策

2021年6月3日

新型コロナウィルスのワクチン接種が様々な国で始まったとはいえ、コロナはいまだに世界中で猛威を奮い続けています。第3波が始まった国がある一方で、割と最近初めて感染者が確認された国もあります。

昨年2月、ダイヤモンドプリンセス号のニュースを見ていたスペインに住んでいる家族から「大丈夫?」や「東京に広がるんじゃないか?」といった質問を受けていました。子どもの頃、鳥インフルエンザや狂牛病のニュースで恐怖を感じていましたが、結局大したものではなかったので、今回もパンデミックにはならないだろうと楽観視していました。

現在は、インド、ブラジル、ペルーのニュースが多く取り上げられていますが、みなさんは、昨年6月時点のニュースを覚えていらっしゃるでしょうか?元々中国から感染が拡大し、その後ヨーロッパが感染の中心地となりました。3月はイタリアの大変な状況を伝えるニュースで持ち切りとなり、4月にはスペインは世界一感染状況が深刻な国と言っても過言ではありませんでした。私も当時は家族と友達の全員が自宅待機で、よく連絡を取っていました。

既に過去の歴史になっている昨年を振り返ってみます。

2020年・スペインの状況と対策 (第1波)

コロナに関する昨年の主な出来事を一覧にしてみました。

日付 状況 ・ ⇒対策
1月31日 カナリア諸島のラ・ゴメラ島で1名のドイツ出身の観光客が感染、入院措置が取られる。
2月中 スペインの様々な州で数十名の感染者が報告される。
2月末 感染者は50名程。
⇒リスクのレベルは「通常」から「注意」に上がる。
3月7日 441名の感染者。8名の死亡者。
保健省保健緊急対策調整局のフェルナンド・シモン局長は記者会見でデモへの参加が容認されるかどうかの質問に対して、誰にも何も言わないと回答。
3月8日 617名の感染者。17名の死亡者。国際女性デーのデモが行われる。
3月11日 世界保健機関に新型コロナウィルスはパンデミックとして認められる。
3月12日 ⇒各州は授業を停止し、中央政府は950万人の学生に対して2週間の自宅待機命令を発出。
3月14日 ⇒スペイン政府は、特定の場合を除いて市民の移動の自由を制限し、殆どの企業が営業停止、全ての文化施設の閉鎖を命じる。
3月15日 ⇒ロックダウン開始。
3月20日 19,980名の感染者。1,002名の死亡者。1,588名の回復者。
3月22日 28,603名の感染者。1,724名の死亡者。2,575名の回復者。⇒マドリード州でIFEMAが野外病院として設置される。
3月30日 85,195名の感染者。7,340名の死亡者。16,780名の回復者。
4月15日 177, 633名の感染者。18,579名の死亡者。70,853名の回復者。
4月18日 ⇒密室や公共交通機関利用の場合、マスク着用が義務化される。
4月30日 213,435名の感染者。24,543名の死亡者。112,050名の回復者。
5月2日 全国で規制緩和フェーズ0に移行。運動は6時~10時の間と20時~23時の間に限り解禁。14歳以上の人は12時~19時、高齢者は10時~12時の間と19時~20時の間の外出が解禁に。
5月20日 ⇒ソーシャルディスタンスを保つことができない場合、7歳以上の人はマスクの着用が業務化される。
5月31日 3,678,390名の感染者。79,953名の死亡者。
6月21日 ⇒ロックダウン解除。
第1波の終了が認められる。
7月28日 280, 610名の感染者。28,438名の死亡者。150,376名の回復者。
⇒マドリード州ではマスクの着用が義務化。

コロナ時代となり、どんな国も対策やタイミング次第で、健康だけではなく経済にも大きな打撃を受けました。政治でも与党と野党の攻防が激しくなり、世の中の不安定さを感じます。スペインの場合は、各州で実施した与党のコロナ対策を野党が批判したかと思えば、翌週同じコロナ対策を野党が実施したり、また逆もあったりと、今でも非常に複雑な状況が続いています。

スペインでは、1978年憲法で自治州制度が導入されたため、自治州政府とスペイン中央政府其々に与党と野党が存在します。人々の政治への関心が高いスペインでは、選挙も競争が激しく、どんな党であってもライバルに対して反対姿勢を貫きます。

オーストラリアのLowy Instituteは公開データを基に、コロナ対策を100 か国以上を比較、どのアプローチが最も効果的であるかを検証しました(Lowy Institute データ)。その結果、2021年1月の調査結果では、スペインは100か国中78番目でした(日本は45位)。現在、2,711万人がワクチン接種を受けましたが、2回目の接種を終えた人数は945万人です。スペインのこれまでのコロナウィルスの感染者合計は現時点で368万人、死亡者数合計は79,983名です。この数字にはスペインを訪問していた外国人観光客も含まれます。

第1波のときの反応や対策に比べたら、ノウハウも身に付き、状況も以前に比べたら改善されたと感じます。他のヨーロッパ諸国と比較してもスペインの死者数は大分減少しています。

コロナの第2波の間、3ヶ月間程スペインに戻っていましたので、次のブログで紹介します。興味があれば、是非そのブログも読んでください。

最後になりますが、スペイン語や他の言語に関するサービスが必要でしたら、いつでもご相談ください!(ホルヘ)

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フランス商工会議所のイベントにパートナーとして参加しました

2020年11月20日

2020年11月18日、第三回日仏ビジネスサミット が開催され、フランシールもパートナー企業としてブースを出店し、会議の同時通訳(日英)を担当しました。過去3年間通訳の手配を行っていますが、今年はコロナ対策も求められ、会場内の座席も一つ開けるようになっていたのと、オンラインでの配信が同時に行われていたという点が過去のサミットとは違っていました。

また、今年のテーマは「アフリカ地域におけるビジネス:新たなビジネスパートナーシップに向けて」。アフリカでの業務も多いフランシールにとってはとても親しみやすい内容でした。

今回もフランシールのエコバックを販売しました。NGOアフリカ友の会さんが中央アフリカで作成したバックです。(今後ネットでの販売を予定しています。)


去年もアフリカンバックを「アフリカンエコバック(Sacs africains écologiques) 」として販売したら「アフリカで作って日本へ運ぶ飛行機のことなどを考えたら決してエコ ではない」というご指摘を頂戴し、自分たちも「エコバックのエコってなんだっけ?」と考えるきっかけに・・。
何度も使ってプラスチック袋を使わないからエコなんだ、という原点に立ちかえって、今年は再利用できるアフリカンバック(Sacs africains REUTILISABLES)として販売することとなりました。

コロナ対策はこんなところにも。

座席は一人あけて。


オンライン配信も。

この日は3人の通訳さんに交代で日本語―英語の同時通訳を担当していただきました。


みなさん大変お疲れ様でした。

今回のイベントの様子は別途YOUTUBEでもお伝えする予定です。お楽しみに。(鍋)

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