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<めじろ忌憚>フランスのコロナ状況と対策

2021年8月12日

フランスの感染者数は2021年6月時点で約570万人を超えており、世界で4番目の規模となっている国です。

2020年1月にフランスで初めて新型コロナウイルスの感染が確認されました。
2020年3月にマクロン大統領は、生活必需品の取り扱い店舗以外の休業を発表しました。
学校も休むことになり、テレワークも促された一方、入国禁止およびロックダウンの対策も実施されました。
そしてマスクが圧倒的に不足しており、輸入するなど、行き渡るのに数ヶ月間かかりました。
マスクの必要性については、専門家の意見も分かれていましたが、結局はマスクを付けないと罰金を課せられる条例が実施されました。
尚、医療関係者以外には、老人ホームの訪問も立ち入り禁止になりました。

2020年3月にマクロン大統領がテレビで発言しました。
https://www.europe1.fr/politique/confinement-report-des-municipales-ce-quil-faut-retenir-de-lallocution-de-macron-3955798

2020年の夏から、コロナの状況が一旦落ち着いてきましたが、秋になると再び状況が厳しくなり、ロックダウンが改めて実施されることとなりました。
第一ロックダウンと違い、第二次ロックダウンでは学校は休校にはなりませんでした。
2021年の2月には第三次ロックダウンが実施されましたが、今回は、コロナの状況によって各地方自治体による条例は様々でした。例えば、ある地方では住民票に記載されている住所から10キロ以上離れるような移動は禁じるという対策もありました。(テレワークが不可能な場合を除く)
ワクチン接種への取り組みは他国より遅いと様々なメディアから厳しく批判されていましたが2021年6月時点でワクチン接種済みの人数は3200万人を超えており(1回目)、一日あたりの感染者数は2000人以下になりました。

フランスの大規模接種センター
https://www.france24.com/fr/france/20210402-covid-19-le-vaccinodrome-des-yvelines-maillot-jaune-de-la-vaccination-en-france

昔様々な出来事を乗り越えたフランスという国は、今回もコロナ問題を乗り越えるだろうと思えますが、これからも取り組む必要がある課題は他にもたくさん残るでしょう。
例えば、多くの専門家が第4波について懸念しています。拡大を抑えるためには、2回目のワクチン接種率が80%以上を達成する必要性も改めて強調しました。(ダミアン)

 

<めじろ奇譚>ピエ・ノワールとフランス語の辞書

2021年7月29日

弊社にて力を入れている言語のひとつがフランス語で、フランス語圏アフリカの国際協力案件の翻訳や通訳派遣等のご依頼を多く頂戴しております。今回、「フランス語とアフリカ」についてのご紹介として受け取ったバトンのテーマは「ピエ・ノワール」です。

「ピエ・ノワール(pied-noir)」とは、直訳すると「黒い足」で、特に人の出自の言及に用いられる言葉とされています。広義ではフランス領北アフリカからの引揚者を指し、主にアルジェリア出身のフランス人を意味しているようですが、厳密な対象に関しては多くの議論が行われているそうです。

この言葉の起源は諸説あり、アルジェリアに上陸したフランス軍の靴が黒かったという説が由来として広く理解されているそうです。しかし、先住民はフランス軍や入植者を示す独自の言葉を持ち、フランス語の言葉をあえて使う必要がない点から、この説を否定する研究者もいるため、起源は定かではないようです。他にも、ワイン醸造の葡萄を踏む過程で黒く染まった足の象徴だとする説や、アメリカのネイティブアメリカン「ブラックフィート」の名をとり若者が自ら使用したという説もあるそうです。

ピエ・ノワールの著名人といえば、コロナ禍で注目を浴びた小説「ペスト」の作者アルベール・カミュ(Albert Camus)や、世界的デザイナーのイヴ・サン=ローラン(Yves Saint-Laurent)は日本でも有名です。

翻訳と関連し、特に注目したのがポール・ロベール(Paul Robert)という人物です。フランス語の二大辞書といえば、ラルース(Larousse)とロベール(Robert)ですが、後者を編み出したのがまさにこの辞書学者なのです。
ポール・ロベールは1910年にアルジェリアのオルレアンヴィルで生まれ、高校と大学の学部時代をアルジェで過ごし、1934年からパリで法学を修めます。戦争の勃発により兵士として動員された経験もあります。1945年に博士号を取得しますが、博士論文執筆時に納得のいくフランス語の辞書がないことから、新しい辞書の制作を志します。1952年出版の最初の分冊がアカデミー・フランセーズから表彰を受け、その後は1964年に大辞典『グラン・ロベール』、1967年には小辞典『プチ・ロベール』が完成、フランス語辞書として台頭し現在に至ります。

私どもが日々参照する辞書にもピエ・ノワールが関連しているというご紹介でした。
フランス語の翻訳や通訳等に関してもぜひお気軽にお問い合わせください。
(フランス語担当)

【参考文献】
・大嶋えり子, 世界引揚者列伝Vol.1 ピエ・ノワール列伝 人物で知るフランス領北アフリカの引揚者たちの歴史, 合同会社パブリブ, 2018.
・足立綾, ラパトリエとピエ・ノワール ―<アルジェリアのフランス人>の仏本国への「帰還」―, 『文化人類学』80/4 2016, p.569-591.
(online), https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjcanth/80/4/80_569/_pdf/-char/ja, (参照2021-06-30)
・Wikipedia, https://fr.wikipedia.org/wiki/Pieds-noirs#D%C3%A9finitions_de_%C2%AB_pied-noir_%C2%BB, (閲覧日2021-06-30),
・Wikipedia, https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%82%A8%E3%83%BB%E3%83%8E%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%AB, (閲覧日2021-06-30),

フランス商工会議所のイベントにパートナーとして参加しました

2020年11月20日

2020年11月18日、第三回日仏ビジネスサミット が開催され、フランシールもパートナー企業としてブースを出店し、会議の同時通訳(日英)を担当しました。過去3年間通訳の手配を行っていますが、今年はコロナ対策も求められ、会場内の座席も一つ開けるようになっていたのと、オンラインでの配信が同時に行われていたという点が過去のサミットとは違っていました。

また、今年のテーマは「アフリカ地域におけるビジネス:新たなビジネスパートナーシップに向けて」。アフリカでの業務も多いフランシールにとってはとても親しみやすい内容でした。

今回もフランシールのエコバックを販売しました。NGOアフリカ友の会さんが中央アフリカで作成したバックです。(今後ネットでの販売を予定しています。)


去年もアフリカンバックを「アフリカンエコバック(Sacs africains écologiques) 」として販売したら「アフリカで作って日本へ運ぶ飛行機のことなどを考えたら決してエコ ではない」というご指摘を頂戴し、自分たちも「エコバックのエコってなんだっけ?」と考えるきっかけに・・。
何度も使ってプラスチック袋を使わないからエコなんだ、という原点に立ちかえって、今年は再利用できるアフリカンバック(Sacs africains REUTILISABLES)として販売することとなりました。

コロナ対策はこんなところにも。

座席は一人あけて。


オンライン配信も。

この日は3人の通訳さんに交代で日本語―英語の同時通訳を担当していただきました。


みなさん大変お疲れ様でした。

今回のイベントの様子は別途YOUTUBEでもお伝えする予定です。お楽しみに。(鍋)

ヨーロッパの個人情報保護事情ーGDPR(一般データ保護規則)ーについて

2020年9月29日

みなさんは欧州連合(EU)の一般データ保護規則(英:General Data Protection Regulation、GDPR)をご存知でしょうか。2016年に公布され、2018年5月から施行されている個人情報保護法です。民間企業の業務に影響を与える法律であり、欧州連合の市場規模を考えれば、日本企業も無視できない条例です。以下に簡単にご説明させていただきたいと思います。
GDPR は欧州連合の全加盟国(現在27か国)に施行されています。EU法によると、規則(英語ではregulation、フランス語ではrèglement)は指令(英語もフランス語もdirective)とは違い、直接的に加盟国の法律となるため連合全領域に統一して実施されます。

GDPRの方向性は以下の三つです:
1) 個人情報データの保護強化
2) 個人情報データを扱う業者・組織の責任明確化
3) 個人情報データ扱いの監視機関権限強化

個人データを取り扱う企業は、GDPRで問題にならないようにするため、下の助言を遵守する必要があります。
1) 目的達成のためだけのデータしか収集しないこと
2) 透明性を保つこと
3) 個人情報主体の権利行使を確保すること
4) データの保存期間を定めること
5) リスクを認識し、データの保安に努めること
6) GDPRへの対応を継続的なプロセスにすること

日本企業も、EU諸国から個人データが含まれるデータを受け取る場合は、注意が必要です。もし違反すると、年間売り上げの4%、あるいは2000万ユーロ(どちらか高いほう)の罰金を課せられるとなります。また、日本の個人情報保護法などとの違う点はいくつかありますが主要点を下記に記します:
1) GDPRでは、クッキーやIPアドレスが個人情報であることが明記されていること。
2) GDPRでは、開示義務が広い(ユーザーの権利、保存期間など)こと。
3) GDPRでは、個人情報主体はいつでも同意を撤回できるように、撤回方法は容易でなければならないこと。いわゆる「忘れられる権利」があり、違反がなくても削除できること。

また、日本では個人情報保護の適切な措置をとる会社にプライバシーマークがありますが(フランシールも取得していますが)、ヨーロッパでは同様のしくみは特になく、全世界共通のISO27701がそれに相当します。(ノブル)

フランスでの新しいジェンダー表現「・・teur.rice」とは?

2020年8月26日

Écriture inclusive (性中立的言語・ジェンダーインクルーシブな書き方)

2020年6月のフランスの市町村議会選挙では、緑の党のグレゴリー・ドーセット氏が
18年間リヨン市長を務めていた社会党のジェラール・コロンを破ってリヨン市長に当選しました。

驚くことに、彼が最初にとった政策は、リヨン市でécriture inclusive (性中立的言語・ジェンダーインクルーシブな書き方)を定めることでした。革新派から、フランス語標準語における性別に関して、女性形より男性形の方がその地位を確立してしまっているとの批判の声が上がっていたためです。

フランス語では、男性名詞および女性名詞という文法的な概念がありますが、大多数の役割や職業を指す場合の名詞は男性名詞です。その役割や職業に女性が含まれていても複数になると男性形になり、結果、男性しかいないという印象を助長してしまいがちです。これを回避するため、スペルの変更が求められてきました。

しかし、男女平等に貢献する政策だと見られる一方で、厳しい立場を示す専門家もいます。フランスの国立学術団体アカデミー・フランセーズは「この書き方は危険だ」と述べています。反対派は「単語のスペル変更だけでなく、文字の後ろにドット(.)を追加することは、障がい者や外国人にとってただでさえ難しいフランス語をさらに読みにくくする」といっています。

例えば、この新しい書き方では「inspecteur」(検査官)という単語は男性、女性が混じる複数になると、「inspecteur.rice.s」となりますが、文章の終わりのピリオド(.)と、その特殊な字体のドット(.)との区別が分かりにくくなる心配があります。

それでもドーセット氏は、「écriture inclusive (性中立的言語・ジェンダーインクルーシブな書き方) の重要性を強く信じている」と発言しています。

個人的には、ドットを入れる書き方をやめた方がいいと思います。
フランス語を勉強したい人の数が減少すると、フランスという国の魅力も失われ、間接的に経済まで影響が及ぶとも考えられます。
例えば、Les coordinateurs.rices de Franchirではなくて、Les coordinatrices et les coordinateurs de Franchirと現した方が良いと思います。ドットを使わず女性を強調する書き方が既にあります。(ダミアン)

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