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<めざせ語学マスター>ジョハリの窓

2022年2月17日

ジョハリの窓(Johari window)

先日「なぜ最近の若者は突然辞めるのか」という本を読んでいたら、「ジョハリの窓」が出てきました。どこかで見た言葉だと思ったら日本語教育能力試験の過去問に出ていました。(平成29年度 日本語教育能力検定試験 試験Ⅲ 問題9)
日本語を教えるのにこんなことまで知っておくべきなんだ・・と改めてこの試験の範囲の広さに驚きます。

「ジョハリの窓」は、自己分析をしながら他者との関係を知ってコミュニケーションを模索する心理学モデルだそうです。ジョハリさんが作ったのかと思ったら、サンフランシスコ州立大学の心理学者ジョセフ・ルフト (Joseph Luft) とハリ・インガム (Harry Ingham)で、二人のファーストネームを取ってジョハリの窓と呼ばれるようになったそうです。

調べてみるとやり方は簡単で、4人以上の人が、参加者の性格(基本「頭が良い」とか「空気を読める」など、ポジティブなもの)が書かれた表に、自分を含めた他の人があてはまるかどうかをチェックしいていきます。Dさんは「Aさんは発想力がある、行動力もある、慎重だな・・、Bさんは頭が良い、リーダーシップがある、Cさんは空気を読める・・・」など、あてはまる性格をチェックします(1人につき10個まで)。

ポテクトさんのアプリならジョハリの窓は簡単にできます。

ジョハリの窓Webアプリ(β) ~みんなで自己分析・他己分析~


チェック項目が終わると、自動的に各項目は4つの窓に振り分けられます。

自分が思う自分と、他の人が思っている自分の違いは各窓に入った項目でわかってきます。。

「開放の窓」 自分も他人も知っている自己
「盲点の窓」 自分は気がついていないが、他人は知っている自己
「秘密の窓」 自分は知っているが、他人は気づいていない自己
「未知の窓」 誰からもまだ知られていない自己

というわけで試しに職場のスタッフ4人でジョハリの窓をやってみました。

以下は私の結果です。

この実験結果を見ると、「解放の窓」から、私も他の3人も、私を「向上心がある」「リーダーシップ」「行動力がある」「根性がある」「責任感がある」「慎重」だと思っていることが分かります。

「盲点の窓」は、私が知らない他の人から見た私。(え!プライド高くて自信家?)

「未知の窓」誰からも知られていない自分。つまり私自身を含めた誰も私を「空気を読む」とか「段取り力がある」とか「表情が豊か」だとは特に思っていないことがわかります。

いかがでしょう?この結果を見て私の性格は想像できますか?

このテストのいいところは何と言っても選択肢に悪い項目がないことです。もし「頭が悪い」とか「空気を読まない」という選択肢があったら、次の日から職場は気まずくなるかもしれません。

言い忘れていました。私の「秘密の窓」には何もありませんでした。これは自分しか知らない自分がいない・・・ということでしょうか。

通常は、開放の窓(自分も他人も知っている特性)を広げること、そして未知の窓(自分も他人も知らない特性)を狭めていくことが目指されます。
社内研修や、コミュニケーションのために使われているようです。

先の本では、若者とのコミュニケーションを取りたいのなら、開放の窓を増やしていくことが必要だとありました。つまり自分の思う自分と他人が見た自分が一致していたり、失敗も成功もオープンにしたりすることがポイント。日本語教育能力試験では、外国人との付き合い方やコミュニケーションのツールとして使われるんだと思いますが、職場ではつまらなそうにしている社員に「他の人は君のこんないいところにも気づいているよ」というメッセージにもつながるかもしれません。外国人と、若い日本人、中年のビジネスマンにとってはどちらも理解が困難な人々になりつつあるのかもしれません。

さて、自分の「秘密の窓」が空っぽだったのを見て、20年近く前、「いい出会いがないです」と職場の先輩にぼやいていた時に言われたことを思い出しました。

少し遠くを見た後、先輩はこんなことを言い出しました。
先輩:「あなたは例えばフリマとかで並んでる骨董品みたいな感じなんだと思うよ。」
私:「?」

先輩:「青空の下、床に置かれて、色んな人がちらちら見ながら通り過ぎるの。でも、時々すごいマニアが現れて“こんな掘り出しものがこんな市場に?”とかいって手に取るのよ。」
私:「?」
先輩:「それに比べて魔性の女って確かにいるし、もてるのよね。例えれば店の中が良く見えない高級そうなブティックかな。一旦入ってしまったら奥に連れていかれて今度は出口が見えなくなって、気付いたら出れなくなっているわけ。」
私:「なるほどー。・・すると、私はオープンすぎるのかもしれません。確かに自分をチラ見せするのって大事かもしれませんね。」

しかしその後私は魔性の女にはなりたくても簡単になれるものではないことに気づきます。
30歳近くになって「やーめた!骨董品を好きな人を待つことにしよ!」と諦めました。

「開放の窓」を広げると、仕事は出来るようになるかもしれないけれど、もてなくなる可能性があります。年をとったらそれでも全く問題ないけれど、20代半ばの恋愛市場に参戦している間はちょっとくらい「秘密の窓」があったほうがミステリアスでいいのかな・・とも思うのでした。

<めざせ語学マスター>日本語教育に関する他のブログはこちら

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サピア=ウオーフの仮説
日本語教育能力検定試験に合格しました!
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来日外国人の激減について
学校文法と日本語教育文法
日本語教育能力検定試験に落ちました

 

<MemoQマニュアル>翻訳メモリを作りましょう。

2022年2月9日

翻訳メモリとはなんでしょう。
以前のブログ、「翻訳プロジェクトの作成方法」でお伝えした、プロジェクト作成に必要な3つのバケツを思い出してください。

一つは翻訳する原稿。
一つは翻訳メモリ(Translation Memory, TMとも呼ばれます。)。
一つは用語ベース、タームベースとも言いますが、用語集のことです。

翻訳メモリとは、過去に翻訳した文、段落、分節のテキストを保存するデータベースです。
最初にゼロから翻訳をスタートさせるとき、翻訳メモリの容器はカラです。
でも、翻訳をしながら各文節を「確定(Control+Enter)」を押すことで新しい対訳データは翻訳メモリに入っていきます。

でも、本当に今まで似たような原稿、ありませんでしたか?

「そういえば、2年前に同じような翻訳やってた!」

そんな時、翻訳メモリがあったらな、と思うかもしれませんね。
原文と翻訳文、両方あるのに、どっちもワード文書、ということは良くあります。
「翻訳メモリにするのってできないのかな?」


答えは・・・

はい、翻訳メモリは作れます!

でもちょっと手間がかかります。
今回はそんな翻訳メモリの作り方について説明します。

MemoQ ではライブ文書という機能を使って作成することが出来ます。これはTRADOSなどではアライメントと呼ばれる機能と同じです。

ただしワードやエクセルでも翻訳メモリは作れますし、人によってはライブ文書などを頼らずワードで作ったほうが早い、という人もいます。

それではまずはMemoQのライブ文書を使って、日本語と英語のメモリを作ってみましょう。

日本語―英語の翻訳メモリを作ります。

今回はフランシールホームページの「通訳のご依頼の流れ」を例にします。

翻訳メモリを作りたいプロジェクトを開いたら、ライブ文書を開き、「新規作成」を押してここでは「ライブ文書」のバケツ(容器)を用意します。
整合ペアの追加を選びます。

次の画面がでます。

ソース文書を追加します。

(この時、ソース文書(ワードなど)が開いているとエラーがでます。必ずファイルを一度閉じてから作業しましょう。)

ターゲット文書を追加


ファイル名がバラバラだと、下の図のように、「リンクの種類」が真ん中で合いませんが、強制的に整合させることも可能です。その場合はそのまま下部にある「自動制御文書」を押してください。

これでひとまず二つの言語が対になりました。しかしまだ完成ではありません。

先ほどの「整合ペアを追加」の上にある「表示/編集」を開きます。

見るとわかるように、二つの言語は右左で対にはなっていますが、文節の切れ方は正しくありません。ここから地道にセルを分割したり、結合したりして整合ペアが正しくなるように修正していきます。

この位置でセルを結合、分割させたい、という点で右クリックすると選択肢が出てきます。かなり地道な作業になりますが、良い翻訳メモリを作ろうと思ったら集中して頑張りましょう。

全て右と左がそろったら整合の実施をします。

右と左が全て緑の線で繋がったら、完成です。翻訳メモリにエキスポートすればこれら文書は翻訳メモリになります。

お疲れ様でした。

ライブ文書は便利ですが、整合作業はかなり地道で時間のかかる作業です。やっぱり普段から翻訳メモリを使って仕事していればラクだったな・・と思うこともあります。

AI翻訳などで使う対訳コーパスも作り方は同じです。これもライブ文書でも、ワードやエクセルでも作成可能です。

次回はワードで作る方法をお伝えします

ちなみに、弊社ではコーパスや翻訳メモリ作成業務も承りますので、ご相談になりたい方は、こちらにお問い合わせください。対象はデータではないハードコピーや図書でも可能です。また、日本語ー英語でなく他の言語ペアでもお受けいたしますのでお気軽に相談ください。

★その他のMemoQ プロジェクトはこちら★
CATツール:翻訳メモリとは
各画面の説明(DESKTOP版とWEB版)
翻訳プロジェクトの作成方法
統計の使い方
翻訳中の文書から用語集を登録する

<MemoQマニュアル>翻訳中の文書から用語集を登録する

2022年2月3日

今回はMemoQで翻訳中の原稿や翻訳が終了したファイルから用語集(タームベース)を登録する方法を説明します。

MemoQでは、オンラインプロジェクトを開くときに以下のように「プロジェクトをチェックアウト」するか「WebTransで文書を開く」かを選ばなければなりません。

もしデスクトップ版のMemoQをお持ちの場合はチェックアウト(自分のローカルにプロジェクトを同期するようなイメージ)すれば、お持ちのPC上のMemoQ上で作業できます。

もしあなたが翻訳者でデスクトップ版のMemoQをお持ちでなければ、WebTrans(ブラウザ上での翻訳)を選ばなければなりません。またWebTransの表示は英語だけになり、ボタンも少し違って見えます。

以下は、WebTrans版での用語集登録の仕方です。下はWebTrans版の表示画面です。

用語集に追加していきたい語があったら、原稿の中から当該語を選び、ソースとターゲットの列からそれぞれControl を押しながら選びます。(選んだ用語に色がつきます。)


その後、右上に緑の丸がついたボタン、「Create term base entry 」を押します。。

すると下のような画面が表示されます。

OKを押してください。これで用語集に追加されました。

デスクトップ版も説明しておきます。

「プロジェクトをチェックアウト」を選ぶと下のような画面が開きます。

上記と同様に選択した単語をソースとターゲットからそれぞれControl を押しながら選びます。(選んだ用語に色がつきます。)すると下の画面が開きます。

あとは同じです(下部に表示される「OK」を押してください)。また、「用語の追加」ボタンのすぐ下にある「用語のクイック追加」を押せば上記の画面の表示をスキップして登録させてしまうことが出来ます。

大事な用語はどんどん登録していきましょう!

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CATツール:翻訳メモリとは
各画面の説明(DESKTOP版とWEB版)
翻訳プロジェクトの作成方法
統計の使い方

 

 

 

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