<めじろ奇譚> スペインの新型コロナウィルス感染状況と予防対策

2021年6月3日

新型コロナウィルスのワクチン接種が様々な国で始まったとはいえ、コロナはいまだに世界中で猛威を奮い続けています。第3波が始まった国がある一方で、割と最近初めて感染者が確認された国もあります。

昨年2月、ダイヤモンドプリンセス号のニュースを見ていたスペインに住んでいる家族から「大丈夫?」や「東京に広がるんじゃないか?」といった質問を受けていました。子どもの頃、鳥インフルエンザや狂牛病のニュースで恐怖を感じていましたが、結局大したものではなかったので、今回もパンデミックにはならないだろうと楽観視していました。

現在は、インド、ブラジル、ペルーのニュースが多く取り上げられていますが、みなさんは、昨年6月時点のニュースを覚えていらっしゃるでしょうか?元々中国から感染が拡大し、その後ヨーロッパが感染の中心地となりました。3月はイタリアの大変な状況を伝えるニュースで持ち切りとなり、4月にはスペインは世界一感染状況が深刻な国と言っても過言ではありませんでした。私も当時は家族と友達の全員が自宅待機で、よく連絡を取っていました。

既に過去の歴史になっている昨年を振り返ってみます。

2020年・スペインの状況と対策 (第1波)

コロナに関する昨年の主な出来事を一覧にしてみました。

日付 状況 ・ ⇒対策
1月31日 カナリア諸島のラ・ゴメラ島で1名のドイツ出身の観光客が感染、入院措置が取られる。
2月中 スペインの様々な州で数十名の感染者が報告される。
2月末 感染者は50名程。
⇒リスクのレベルは「通常」から「注意」に上がる。
3月7日 441名の感染者。8名の死亡者。
保健省保健緊急対策調整局のフェルナンド・シモン局長は記者会見でデモへの参加が容認されるかどうかの質問に対して、誰にも何も言わないと回答。
3月8日 617名の感染者。17名の死亡者。国際女性デーのデモが行われる。
3月11日 世界保健機関に新型コロナウィルスはパンデミックとして認められる。
3月12日 ⇒各州は授業を停止し、中央政府は950万人の学生に対して2週間の自宅待機命令を発出。
3月14日 ⇒スペイン政府は、特定の場合を除いて市民の移動の自由を制限し、殆どの企業が営業停止、全ての文化施設の閉鎖を命じる。
3月15日 ⇒ロックダウン開始。
3月20日 19,980名の感染者。1,002名の死亡者。1,588名の回復者。
3月22日 28,603名の感染者。1,724名の死亡者。2,575名の回復者。⇒マドリード州でIFEMAが野外病院として設置される。
3月30日 85,195名の感染者。7,340名の死亡者。16,780名の回復者。
4月15日 177, 633名の感染者。18,579名の死亡者。70,853名の回復者。
4月18日 ⇒密室や公共交通機関利用の場合、マスク着用が義務化される。
4月30日 213,435名の感染者。24,543名の死亡者。112,050名の回復者。
5月2日 全国で規制緩和フェーズ0に移行。運動は6時~10時の間と20時~23時の間に限り解禁。14歳以上の人は12時~19時、高齢者は10時~12時の間と19時~20時の間の外出が解禁に。
5月20日 ⇒ソーシャルディスタンスを保つことができない場合、7歳以上の人はマスクの着用が業務化される。
5月31日 3,678,390名の感染者。79,953名の死亡者。
6月21日 ⇒ロックダウン解除。
第1波の終了が認められる。
7月28日 280, 610名の感染者。28,438名の死亡者。150,376名の回復者。
⇒マドリード州ではマスクの着用が義務化。

コロナ時代となり、どんな国も対策やタイミング次第で、健康だけではなく経済にも大きな打撃を受けました。政治でも与党と野党の攻防が激しくなり、世の中の不安定さを感じます。スペインの場合は、各州で実施した与党のコロナ対策を野党が批判したかと思えば、翌週同じコロナ対策を野党が実施したり、また逆もあったりと、今でも非常に複雑な状況が続いています。

スペインでは、1978年憲法で自治州制度が導入されたため、自治州政府とスペイン中央政府其々に与党と野党が存在します。人々の政治への関心が高いスペインでは、選挙も競争が激しく、どんな党であってもライバルに対して反対姿勢を貫きます。

オーストラリアのLowy Instituteは公開データを基に、コロナ対策を100 か国以上を比較、どのアプローチが最も効果的であるかを検証しました(Lowy Institute データ)。その結果、2021年1月の調査結果では、スペインは100か国中78番目でした(日本は45位)。現在、2,711万人がワクチン接種を受けましたが、2回目の接種を終えた人数は945万人です。スペインのこれまでのコロナウィルスの感染者合計は現時点で368万人、死亡者数合計は79,983名です。この数字にはスペインを訪問していた外国人観光客も含まれます。

第1波のときの反応や対策に比べたら、ノウハウも身に付き、状況も以前に比べたら改善されたと感じます。他のヨーロッパ諸国と比較してもスペインの死者数は大分減少しています。

コロナの第2波の間、3ヶ月間程スペインに戻っていましたので、次のブログで紹介します。興味があれば、是非そのブログも読んでください。

最後になりますが、スペイン語や他の言語に関するサービスが必要でしたら、いつでもご相談ください!(ホルヘ)

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