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Linguistic assistance beyond borders

コンピュータ支援翻訳(computer-assisted translation)、CATツールは、翻訳メモリ(TM)、用語集(タームベース:TB)などを使って翻訳を行うものです。いくつか種類がある中で、フランシールではMemoQを使っています。MemoQクラウド導入を機に、社内外の人にもわかりやすいマニュアルを作ることにしました。

<MemoQマニュアル>翻訳プロジェクトの作成方法

2021年12月20日

CATツールを使う場合(ここではMemoQ)、翻訳作業を開始するときにはまず最初に「プロジェクト」を立ち上げます。今回はその立ち上げ方を説明します。

まず、「プロジェクト」の構成を簡単に説明します。

実際のMemoQ では以下のような画面で作成します。(下はMemoQクラウドの管理者用画面ですがデスクトップ用でも基本は同じです。)

赤い四角の中、「新規プロジェクト」を押すと新しいプロジェクトを立ち上げることができます。
(デスクトップ版のMemoQではオンラインプロジェクト(下の雲マークがついた二つ)の選択肢は出てきません。)

デスクトップ版で「新規プロジェクト」を立ち上げと下の画面が出てきます。

オンラインプロジェクトでは下の画面が開きます。
ここから先はオンラインプロジェクトで説明します。(デスクトップも基本は同じです)。

プロジェクトの名前を入れます。必要に応じてクライアントの名前やドメイン、タイトルなどを記入します。

次に言語を選択します。ここでは例としてソース言語を日本語、ターゲット言語を英語にします。

次にオプションの画面が出ます。この例ではとりあえず何もしませんが、
◎ 変更履歴の使用の有無
◎ QAエラーがあったら納品をさせないようにする
◎ 機械翻訳のプラグインの無効化
◎ ユーザー(翻訳者など)がローカルコピーにおいて機械翻訳(MT)設定を変更できないようにする
◎ 用語集プラグインの無効化
◎ オンライン翻訳メモリプラグインなどの無効化
などのオプションが選べます。

「次へ」を押すとさらに別のコミュニケーションオプションが表示されます。
◎チェックアウト時にメモリと用語ベースのオフラインコピーを作成する
◎ユーザー(翻訳者)によるセグメントの結合・分割を許可する
◎文書のローカルコピーを訳文エクスポート用のスケルトンを含める
◎文書のローカルコピーにプレビューファイルを含める
などのオプションがあります。

オプションの設定が終わると下のようにプロジェクトが立ち上がります。(完了)

しかしここで終わりではありません。
次に翻訳メモリ(TM)と用語ベースの設定を行います。最初に例えたカラのバケツです。プロジェクトを立ち上げただけでは「プロジェクトのハコ」ができただけの状態です。空のバケツ(入れ物)を作ってあげないと、翻訳しながら作るべき翻訳メモリ(TM)や用語集(TB)を保存する先がなくなってしまいます。

まずは翻訳メモリ用のバケツを作りましょう。左側にプロジェクト用の翻訳メモリ、用語ベースのアイコンがあるので、まずは翻訳メモリを選んでください。

左上の「新規作成」ボタンを押します。

下のような画面が出ます。最初から日本語と英語が入っているのは最初にプロジェクトでソース言語とターゲット言語を指定したからです。

特に指定したいオプションがなければ(上記はデフォルトのまま)「OK」を押します。

このプロジェクト用の(カラの)翻訳メモリが出来上がりました。左上の「✔」マークがオレンジになりました。これは「変更されました。適用しますか?」という適用ボタンです。このメモリで問題なければボタンを押してください。緑色になり、適用されたことが分かります。

次は用語ベースです。用語ベースボタンを押してください。

翻訳メモリのバケツを作った時と同様、「新規作成」ボタンから、本プロジェクト用の(カラの)用語ベースを作成します。

すでに英語と日本語が☑になっていることを確認し、OKを押します。

同様にオレンジの適用☑を押せば、用語ベースの(カラの)容器が出来上がりました。

その後翻訳すべき原稿をプロジェクトに追加します。(原稿がないと、翻訳メモリと用語ベースだけのプロジェクトになってしまいます。)原稿は「インポート」から行います。

もし下のようなエラーメッセージが出たら、それは「原稿が他のワードなどで開かれています」ということ。慌てずに確認し、まずは開いている原稿があれば閉じましょう。他でもエラーメッセージが出ることがありますが、慌てずに表示されている内容を読んでください。ファイルを開いたままだった、など、意外と簡単なことでエラーがでるので一つ一つ解決していきましょう。

さて、原稿もインポートされました。これで最初の「プロジェクトのハコ」(=原稿+翻訳メモリ+用語ベース)の1セットがそろいました!

コンプリート!

***********************

他のMemoQ プロジェクトはこちら

CATツール:翻訳メモリとは
各画面の説明(DESKTOP版とWEB版)

<MemoQマニュアル> 各画面の説明(DESKTOP版とWEB版)

2021年12月14日

MemoQをダウンロードし翻訳作業を行う場合、作業をデスクトップ版で行うか、ブラウザ上で行うか2通りの選択肢があります。表示される画面が少し異なりますので、実際にどのような画面表示となるのか説明します。

 

まず、MemoQを立ち上げたらダッシュボードから対象のプロジェクトを選択⇒翻訳対象ファイルをダブルクリックします。

 

↓ファイルを開く際に、この画面が表示されます。

デスクトップにMemoQがダウンロードされている場合は、ローカルプロジェクト(=デスクトップ上でファイルを開く)またはWeb Trans(=ブラウザ上でファイルを開く)で文書を編集するかを選択することができます。私は最初この「チェックアウト」という表現に違和感を覚えて「ログアウト」と脳内変換され、「あ、このままログアウトしてはいけない!!」と思ってしまっていましたが、「チェックアウト」は「立ち上げ」と同じ意味合いです。

 

では、「プロジェクトをチェックアウト」を選択してみましょう。

 

MemoQ上で新たなウィンドウが開き、次の画面が表示されます。

左側に元言語(この場合は日本語)、右側に翻訳用のセルが表示されます。文章はセグメントごとに区切られており、翻訳者は右側に翻訳(この場合は英語)を入れていきます。

 

では次に、「Web Transで文書を開く」を選択してみます。

 

ブラウザが開き、次の画面が表示されます。

デスクトップ版同様、左側に元言語、右側に翻訳用のセルが表示されます。

デスクトップ版とは異なり、上部にさまざまなアイコンやボタンが並びますが、すべて英語で表示されます。作業もデスクトップ版同様、右側に翻訳を入力していきます。

以上、ローカルプロジェクトとWeb Trans上の画面表示についてのご説明でした。

株式会社フランシール MemoQプロジェクトスタッフ

<MemoQマニュアル> CATツール:翻訳メモリとは

2021年12月6日

フランシールではCATツールとしてMEMOQを使っています。

この<MemoQプロジェクト>シリーズでは、わかりやすいように、翻訳会社で使っているCATツールとは何か、翻訳メモリとは何か、などを説明していきます。

① CATツールとは何でしょう。

CATツールとは、Computer Assisted Translation(コンピュータ翻訳支援)ソフトのことです。有名なCATツールでは、下のようなものがあります。

TRADOS(ドイツ 1984年創設):最も古くて有名

その後東欧などでもCATツールは新しく開発されました。

MEMESOURCE(チェコ 2010年創設)
MEMOQ(ハンガリー 2006年創設)
XTM CLOUD(イギリス 2002年創設)
OmegaT (無料のCATツール 2000年創設)

どのCATツールも「翻訳テキスト、翻訳メモリ、用語集」を使って翻訳をする、という点で基本は同じです。表示方法も似ています。

(なぜフランシールではMemoQを使うことになったかというと、MemoQの日本担当の三浦さんが数年前に当社にお越しいただき、CATツールに疎かった私たちに根気よく使い方を説明してくださったからです。感謝)

② なぜCATツールを使うのでしょうか。

翻訳会社に持ち込まれる原稿には、バージョンが違うだけでほとんど同じだったり、繰り返しの多い文章がたくさんあったりと、ただ翻訳するだけでなく原稿の分析が必要な書類も多いです。一つ一つ見比べて「ここは新しい、ここは前にあった文章・・」と分けていく作業は大変時間がかかります。また、すでにある文章を新しく訳してしまったら、「同じ原稿なのに2種類の翻訳がある!」という問題が起こってしまいます。

そのような問題を解決したのがCATツールです。CATツールには以下のような機能があり、ただ見ただけでは気づかないようなミスや重複も自動的に検知してくれます。

 繰り返しを自動で入れてくれる
 翻訳メモリがあるので、過去のデータからすぐに似た文章を探してきてくれる
 用語集も作れるし、すでにあればインストールできる。
 翻訳者には新規の箇所を依頼するだけ。
 おまけに同じ原稿なのに違う表現で翻訳すると警告も自動で出てくる。

③ CATツールは機械翻訳機なのか?

CATツールは過去のデータを再利用するためのツールで、機械翻訳ではありません。
それに対して、GOOGLE, DEEPL、ロゼッタなどのテキストを入れると翻訳が出来上がるアプリケーションは機械翻訳と呼ばれます。機械翻訳はMT(Machine Tranlsation)と呼ばれることが多いのですが、以前AI翻訳を開始して有名になったGOOGLE翻訳以外にも現在は多くのAI翻訳が存在します。また、CATツールにMT機能をプラグインさせてメモリ機能と機械翻訳を両方使う翻訳方法も使われています。例として、MemoQにプラグインできるMTとして以下が挙げられます。

Intento
DeepL
Amazon MT
Google MT
Kantan MT
CrossLang
AltLang
Omniscien Technologies
Iconic Translation Machines
Tilde MT
Microsoft TranslatorTM
PangeaMT
Systran
Slate Desktop
Mirai Translator
TexTra MT
Tmxmall MT
Alexa Translations A.I.MT
ModernMT
Google Cloud Translation Advanced
(MemoQ ホームページ)

さらに最近は、翻訳会社で翻訳したメモリもAI翻訳のコーパスの一部として利用する方法も出来つつあります。CATツールもどんどん進化しているんですね。

④ CATツールを使いたくない理由
上記で説明してきたCATツール、こんなに素晴らしいなら常に使うべきだと思うかもしれませんが、実は抵抗も大きいのです。

翻訳コーディネータ(翻訳会社内)の抵抗
扱っている翻訳にほとんど繰り返しがないから必要ない。
PDF原稿が多いから原稿のデータ化が大変
 メモリを作るのに時間がかかるから面倒
CATツールに原稿をインポートする前のプレエディットや翻訳後のポストエディットが大変
そもそも機械が苦手
翻訳ペアが英語じゃない。わざわざメモリにする必要があるか疑問
すぐにエラーが出るから使いづらい
翻訳者がいやがる
翻訳者が他のCATツールを使っているからいやだと断られた

フリーランス翻訳者側
 自分独自の翻訳メモリや用語集を使っているから翻訳会社にCATツールに合わせたくない。
 そもそも新しいツールが苦手。
 今までは自由に翻訳できたのに、制限を付けられるのがいや。まるで高速道路から一方通行の道路に移動させられたみたいだ。
 時間がかかる。
新規の箇所のみの翻訳やポストエディットが増えて収入が減る。

本来はCATツールは繰り返しのあるマニュアルや、例えば2系列あるプラント設備の仕様書、定款や契約書などの定型フォームがある原稿の翻訳に利用価値があります。戸籍謄本や住民票などの法定翻訳は、定型であっても原稿がPDFや紙ベースで文字化しようとすると文字化けしてしまうものや個人情報を多く含むものは(メモリに個人情報も保存されてしまう可能性があるため)CATツールの使用には向いていません。

ただ、対訳データは大切な資産ですが、原稿と翻訳文がバラバラにあってもすぐに利用することは難しく、それらを翻訳メモリ(コーパス)に作り直すためには時間とコストがかかります。やはり、翻訳しながらメモリを作っていく方法は一番効率的です。

最近のCATツールは同じソフトを持たない外部翻訳者にライセンスを貸し出す方法で翻訳が可能になりました。MemoQクラウドもそうです。しかし慣れない翻訳者にとって新しいツールを使うことは翻訳以上に負担が増えることになりかねません。

そこで今回フランシールのMemoQクラウドプロジェクトチームを作り、出来るだけ平易な言葉で(MemoQヘルプ以上に)わかりやすく参照できるマニュアルを作ることになりました。社内、社外スタッフの負担を出来るだけ減らせたらと願っています。また、これから導入を検討している方にもお役にたてたらと思います。

翻訳エージェントと翻訳者、お客様がWINWINの関係になれるような、そんなCATツールの使い方を今後も目指します。

株式会社フランシール MemoQプロジェクトスタッフ

 

 

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