<めじろ奇譚>通訳さんのアフリカ滞在記

2021年10月15日

通訳さんのジブチ滞在生活 2021年9月 芹澤

とっても熱い国、ジブチ
弊社フランシールのフランス語通訳は主にアフリカ諸国でのODA業務に従事する事が多いです。
今回私もその様なお仕事でしばらく東アフリカのジブチに行ってまいりました。

市内から車で20分位走ったところ。こんな感じの土漠(砂じゃない砂漠)です。
アフリカのフランス語圏の国はその多くが西アフリカか中央部にあり、アフリカ大陸の上半分の左側に出っ張った部分に固まっています。その中で珍しく東アフリカ(右側)にあるフランス語の国がジブチやモーリシャス、マダガスカル(後の二つは島ですが)です。紅海、アデン湾に面していて周りをエチオピア、ソマリア、エリトリアに囲まれています。

ホテルから車でほんの5分、ジブチ港のふ頭です。
フランスの植民地だったことからフランス語とアラビア語が公用語になっています。日本ではソマリア沖の海賊などで知られていると思いますが、自衛隊が海外で唯一基地を持っているところでもあります。人口は100万ほどでその3分の2が国の名前にもなっている首都のジブチ市に住んでいます。年間降雨量が155mm(外務省サイトのPDFより)とすごく少なく、5月~9月の平均気温が摂氏38度ととてもとても暑いところです。

今回のお仕事はジブチの市街地に関係するものでしたので、市内を走り回ったり、関係官庁に伺ったりしていましたが、とにかく暑い。滞在しているホテルの部屋を一歩でたら(廊下でも)すでに暑い。建物の外にでようものならめまいがするぐらい暑い。暑いという言葉では本当に足りない、熱い、が正解です。太陽の光があっついのです。風が吹いていたらその風が熱風なのです。熱さが光りや風のかたまりになってこっちに押し寄せてくるのです。


ホテルのレセプションのマダム、気の良い人です。

泊まっていた部屋。これだけ見ると立派ですね。

1階だった部屋から見える光景 右側を見ると何とか写真としても見られる光景

私は以前西アフリカのモーリタニアの仕事をしていて何年か行ったり来たりをさせていただいていたのですがモーリタニアの首都のヌアクショットは街全体が砂の中、砂漠の中に建物が建っている感じで、飛行機から見ると砂の中に建物が建っていますが、ジブチの町は部分的には海よりも低くなっている様でイメージとしては、行ったことはありませんがオランダ?です。

外食しないコロナ禍におけるホテル生活とは?
中心街の繁華街も少しはあるのですが、このコロナ禍で外食もせず、また夜なんかは外に出ようにもレンタカーは帰してしまうので近場しか出れず、近くには中華レストランぐらいしかなく、そこもコロナでテイクアウトだけ、とかだったりで繁華街に行くことはありません。

となると食事はホテルの部屋でとります。家族経営のこじんまりとしたホテルに滞在していましたので、朝ご飯は毎日部屋に持ってきてくれますが、レストランはありません。昼や夜はパンと缶詰、とかスーパーで買ってきた食材で済ませます。私はもう日本食を食べなくても全く平気になってしまったので食べられるものならなんでも良いので、簡単です。


周りに余り人気のない町工場の様なパン屋で買ってきたフランスパン、これで日本円で20円位でした!
スーパーはフランス系が多いのか、フランスのスーパーの品ぞろえとあまり変わりません。ただ、みんな輸入品なので高い!4つくっついたヨーグルトが1000円以上したりします。ただ、ジブチに工場があるものはそれなりに安いですが、乳製品やコーラとかぐらいしかジブチ製は見かけませんでした。ただ写真に撮ったフランスパンは町工場の様なパン屋さんでしたが一本で20円位でめちゃ安く、おまけに作り立てでめっちゃおいしい。外はカリっと中はふわふわ。最高のフランスパンでした。しかし、アフリカのフランスの元植民地の国はどこもお米とかキャッサバとかソルガムといった穀物が主食なのですが、どんな田舎にいってもパンだけは一杯売っていて、それがまたおいしいのです。東京には一杯こだわりのパン屋さんがありますが、それよりはるかにおいしい!なんででしょうね。

水がしょっぱい!いがらっぽくて、石鹸の泡の全く立たない水道水!
前述の様にジブチはものすごく暑いのです。それも大変なのですが(といってもホテルにいる限りは快適ですが)、その快適なホテル生活で悩まされるのが水の問題です。私の行ったことのある国々は途上国で水道に問題があることが多いです。地方なんかだと水道も満足になく、井戸から水をくむのが当たり前、というところも結構あります。ホテルの部屋にもトイレや洗面所にバケツが置いてあり、部屋に入った瞬間、この町には水の問題があるんだな、と判るところもあります。そんなところではまず蛇口をひねってみて水が出れば置いてあるバケツを一杯にします。バケツは断水時に使え、という事なのです。

それに対しジブチのホテルでは蛇口をひねれば水はでます。私の部屋の外に水タンクらしきものがあるので、それに水をためて断水に備えているのでしょうか。

部屋の窓を開けて正面に見えるのは。。。水タンク?いやいや出てくる水が熱いのです。。。
ただ、水道の水が問題なのです。しょっぱいだけでなくいがらっぽいのです。良くフランスに旅行したら水道の水は飲むな、なんて言われます。まあ私の住んでいたフランスの地方ではレストランでは「ミネラルにする?水道水で良い?」って聞かれ「水道水でいいです」、と言えば冷蔵庫で冷やした水道水を出してくれます。普通に飲めます。でもアフリカの途上国では水道の水が出たとしても、うかつに飲むわけには行きません。何が入っているか判らないからです。上水道は植民地時代に整備されたものがそのまま、なんてところも多く、茶色っぽい水が出たりするのでうかつに口にするとおなかを壊します。私はある国で肝炎になりましたし。

だ~が~、ジブチの水はしょっぱいのです。まるで海水がそのまま水道から出てくるようです。淡水化処理に失敗した水のようで、いがらっぽいのです。口に入れた感じ硬水のようですが、硬水か軟水かなんてのは問題になりません。しょっぱいという事は、石鹸が泡立たないのです。硬水でも泡立ちは悪くなりますが、そんなの問題では無く洗濯しても日本から持ってきた固形の洗濯石鹸が泡立ちもせずみるみる小さくなっていきます。洗濯しているシャツとかはごわごわするだけで泡も立ちません。それだけではありません。日中は暑いので当然お風呂に入りたくなります。でもバスタブなどというしゃれたものは高級ホテルでもなければありません。あるのはシャワーです。水道には水とお湯、などという区別はありません。「お湯?それはなんですか?」、というレベルで当然の様に水しか出ません。でも問題はありません。まず外はめちゃくちゃ暑いので水シャワーで問題無い事、それより、出てくる水はしばらくすると全部お湯になるのです。私の部屋の外にでかいポリタンクが設置してありましたが、それが太陽にさらされているので水イコールお湯になるのです。幸いにも熱すぎることはありませんでしたが全てお湯なのです。それよりほぼ海水シャワーという事はやっぱりシャンプーなんかも全く泡立ちません。髪の毛は当然ごわごわになります。海水浴場にある水シャワーでずっと過ごすようなものなのです。私はもうそんなのに慣れてしまったのであきらめがついてそれでもシャワーを浴びればさっぱりする、と喜んでシャワーを浴びていました。

お湯は無く水しか出ない洗面台。出てくる水はやっぱりしょっぱい。
そしてやっぱりお湯はないシャワー。でも御心配なく。出てくる水はすぐにお湯になります。

でも、毎日ゴワゴワの髪の毛にやっぱりちょっとごわごわのシャツとか着ていると日本に帰ってきた日のシャワーはお湯ってこんなに気持ち良いんだ、と再確認させて頂けます。日本のお風呂ってつくづく良いものですよね。
(続く?)

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